1960年代後半には東京の都内に約2700軒あった銭湯であるが、現在は、738軒(2014年2月現在)と約4分の1にまで減少した。しかし、東京と大阪は、それでも、銭湯の多い2大中心地である。大阪は787軒と東京を上回っている。 東京、大阪に次いで、銭湯の軒数が多いのは、北海道、青森、鹿児島などである。 「銭湯を巡る事情は地域によって大きく異なる。「朝風呂」文化があり、人口10万人当たりの銭湯数が全国一の青森県に対し、山形県では市街地周辺に温泉施設が多く、銭湯は一つしかない。秋田県や茨城県などは銭湯が減少したため組合が解散。値上げを要望する際などに業界内の意見統一が難しくなっているという。」(毎日新聞2014年3月24日) 銭湯は風呂を持たない世帯に対する公益事業の面があるため、今も敗戦直後のインフレ対策で設けられた物価統制令の対象であり、料金は都道府県の審議会や協議会での議論を踏まえて知事が決定している。 円高に伴う燃料費の高騰に加えて、2014年4月から消費税がアップするため、毎日新聞の取材によると、2月時点で6県が近く値上げをすることを決定(長野県は既に値上げ)、さらに17都道府県が値上げを検討しているという。(東京では2014年7月1日から460円) 東京都の銭湯軒数と料金の推移を2番目の図に掲げた。私も所帯をもつまでは銭湯に通っていたので、かつての値段が懐かしい。 なお、東京都などの公衆浴場の混浴制限年齢は2022年1月に7歳に引き下げられるまで10歳だったらしい。 銭湯が急速に軒数を減少させたのは、やはり、家風呂の普及が大きな要因である。以下には全国データであるが、浴室ありの住宅比率の推移を掲げた。なお、2008年の東京23区の浴室保有率は全国と比較して低い89.6%であった。また、2013年の住宅・土地統計調査では、浴室や水洗トイレの設備があるかは調査項目から外れたのでデータは得られない。 日本の銭湯の歴史については、東京都公衆浴場業生活衛生同業組合のHPを参照されたい。 (2015年2月2日収録、2022年12月26日更新、混浴制限年齢)
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