日本大学が最多となっている地域は、東日本で多く、西日本では少ない。西日本では、地元国立大学(黄色の地域、15県)あるいは日本大学以外の私立大学(空色の地域、13府県)が最多出身大学となっている場合が多いのである。 東日本で最多出身大学が日本大学以外であるのは、北海道の北海道大学、岩手の岩手医科大学、宮城の東北学院大学の3大学のみである。 複数県で同じ私立大学が最多出身大学となっているのは、日本大学の他では、大阪、奈良、和歌山の近畿大学、福岡、佐賀の福岡大学だけである。この2大学は、ミニ日本大学といってよいだろう。 地元国立大学は、北海道大学、三重大学、富山大学、金沢大学、福井大学、鳥取大学、島根大学、岡山大学、広島大学、山口大学、徳島大学、長崎大学、大分大学、鹿児島大学、琉球大学であり、県名をそのまま大学名にしている場合がほとんどであるが、石川の金沢大学、沖縄の琉球大学だけは、県名とは異なる点に注意が必要である。なお、福岡の地元国立大学は九州大学であるが、県名の福岡大学は私立大学である。 以上に掲げた地域以外で私立大学が社長の最多出身大学となっているのは、愛知の愛知学院大学、滋賀の立命館大学、京都の同志社大学、兵庫の甲南大学、愛媛の松山大学、熊本の熊本学園大学である。 データは「全国社長の出身大学」調査(2017年)によるが(2018.10.09公開)、調査結果を発表した東京商工リサーチは、こうした結果を「東日本の「中央」志向に対して、西日本の「地元」優先が浮き上がり、東西で社長の出身大学に異なる傾向が表れた」とまとめている。まあ、妥当な総括といえよう。ただし、東日本で地元国立大学出身の社長が最多でないのは、「中央」志向が強いというよりは、学生数最大である日本大学の勢力が東日本で強いだけからかもしれない。 (2018年10月14日収録)
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