全国各地で産業廃棄物(産廃)の不法投棄が問題となっているが、ここでは環境省のまとめによる都道府県別の産廃残存量をグラフにした。

 産廃残存量が最も多いのは千葉県であり、2番目に多い三重県の2.5倍に達している。

 3位〜5位は、宮城県、秋田県、福井県の順である。

 全体としては、東北、東京都市圏、名古屋都市圏で多くなっており、西日本は相対的に少ない。地形的な条件も影響していると思われる。

 以下に毎日新聞がまとめた産廃不法投棄の事例を掲げる。

産廃不法投棄等の事例
青森 青森県田子町と岩手県二戸市にまたがる原野が国内最大規模の産廃不法投棄現場。一時期は豊島(香川)を上回る86万立米に達したが3割は撤去された。
宮城 村田町の産廃最終処分場で00年頃許可量を約67万立米上回る産廃埋立が発覚、業者社長は04年逮捕。
秋田 能代市の民間業者(98年倒産)の廃棄物処分場でドラム缶2万本以上のシュレッダーダストや廃油が放置。
福島 いわき市の炭鉱跡地の坑道に建設会社が廃油などを入れたドラム缶約4.5万本不法投棄。市による処理続く。
埼玉 かつて「産廃銀座」と呼ばれてほど処理施設が密集していた県西部の3市1町にまたがる雑木林「くぬぎ山」を舞台にしたダイオキシン公害調停が03年に終結。
千葉 富津市の産廃最終処分場を認めない判決(05年)、旭市の産廃処分場設置許可取り消し判決(07年、全国初)
岐阜 岐阜市の山林で03年75.3万立米にのぼる産廃不法投棄が発覚、現在も撤去作業中
三重 四日市市大矢知町の産廃処分場に許可外投棄されている産廃が159万立米に上ることが05年判明。石原産業(大阪市)は四日市工場で発生した有害物質を含む産業廃棄物の汚泥をリサイクル商品の土壌埋め戻し材「フェロシルト」として三重、愛知、岐阜、京都の4府県内に販売し不法に投棄(フェロシルト不法投棄事件)。
福井 敦賀市の民間産廃処分場跡地に届出以上の廃棄物を違法搬入(焼却灰など119万立米)。特徴的なのは県外の自治体が結果として共犯となっている点。92年〜00年処分場不足に悩む東は茨城から西は岡山まで60団体(市町村及び一部事務組合)が約35万トンを搬入。
京都 京都市伏見区の「大岩街道」で不法投棄や野焼き→沈静化、焼却炉06年操業停止
広島 広島市の山中で07年使用済注射器など「感染性廃棄物」入りケース約110トンの野積み判明
香川 豊島(てしま)の産廃問題で07年11月までの処理量が計画の約86%と遅れ
(資料)毎日新聞2008.1.23

(2009年2月23日収録)


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