都道府県別の生活保護率(ここでは世帯の比率でなく、保護人員の人口千人当たりの比率)を図示した。

 最も生活保護率が高いのは、大阪であり、北海道、高知、福岡がこれに続いている。

 旧来は、旧産炭地で生活保護率が高い傾向があり、かつては福岡の第1位、北海道の第2位が通例であった。暴力団との関わりも指摘されていたところである。1997年度にはなお北海道、福岡が第1位、第2位を占めていた。

 近年では経済状況の悪い地域で生活保護率も高くなる傾向にある。

 この他、全般的には、西高東低の傾向も見てとれる。

 近年の変化としては、全国的な傾向と同じく、多くの府県で、生活保護率は上昇している。

 参考図として、失業率との相関図を掲げた。基本的には経済環境の厳しさをあらわす失業率と生活保護率は正の相関をもっている(直線は回帰分析結果による傾向線)。しかし、むしろ、失業率では説明できないところに生活保護固有の問題が横たわっていると考えられる。旧産炭地の福岡は以前ほど経済情勢との乖離は生じていないが、大阪、北海道、高知などは失業率の割に生活保護率が高い点で目立っている。逆に、沖縄、宮城、福島といった府県は、失業率の水準の割に生活保護率は低い。

お詫びと訂正

2009年12月に更新するまで、原資料の厚生労働省「福祉行政報告例」の地域集計について、都道府県の値には、「別掲」の政令指定都市、中核市の値を含んでいるものと誤解し、誤った算出値にもとづく図録を掲載していました(報告自治体毎の掲載ということであり、含まれている場合は「再掲」と表示されるとのことですが、「別掲」との区別はつきませんでした)。ここで訂正するとともに皆様にお詫びいたします。原数値の正しい使い方についてご指摘いただいた岡本仁宏氏(関西学院大学法学部)にはこの場を借りて感謝申し上げます。なお、厚生労働省の統計担当セクションには、原資料の統計表に(注)を付記するなどして勘違いが生じないような措置が望まれます。

(2006年3月7日収録、2009年12月18日訂正、更新、2012年6月11日更新)


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