地産地消、日本型食生活の普及、国産農水産物の消費拡大など、食料自給率に寄与する地域ごとの取り組みを促すため、これまで厳密に比較することが難しいため避けられていた都道府県別の自給率(カロリーベース及び生産額ベース)の公表が、2006年から(厳密には2005年11月から)、過去に遡って農林水産省により行われることとなり、食料・農業・農村白書にも掲載されることとなった。

 都道府県別の自給率の算出に当たっては、地域ごとの消費原単位を共通、すなわち年齢構成等の違いによる1人1日当たりの消費量の違いがないと仮定している。従って、カロリーベースの場合、基本的には、各地域で生産された食品農水産物の人口当たりの総カロリーの違いをあらわしていると見てよかろう。2016年度の場合、全国の自給率が38%なので、人口当たりで全国の2倍の総生産カロリー量をもつ県は76%の自給率と言うわけである。また畜産の飼料自給率も同一としている。従って、飼料自給率の高い北海道などでは、生産余力という点からは、算出された数字よりももっと自給率が高いといっても良い。

 都道府県別の数字を見ると、米どころの秋田が192%でもっとも高く、第2位は、北海道の185%、第3位は秋田と同じく東北の山形となっている。本来1位の北海道が後述の通り作柄の悪化のため最新年次のみ2位になっている。自給率が100%を越えているのは、さらに東北の青森、岩手、北陸の新潟を加え、6道県のみである。

 逆にもっとも自給率が低いのは人口密度の高い東京、大阪の1%であり、これに神奈川の2%、埼玉の10%が続いている。

 全国的な傾向では、北海道・東北で自給率が高く、3大都市圏で自給率が低いという点が明瞭に見てとることが出来る。

 最新年度(2016年度)を昨年度までの10年間の平均と比較すると北海道と佐賀で大きく低下し、秋田、新潟で大きく上昇しているのが目立っている。

 これらの各県の昨年度の自給率を掲げると、それぞれ、222%、93%、197%、105%であった。

 北海道、佐賀は天候不順等で作柄が悪かったため最新の自給率が低くなっていることが分かる。一方、秋田は農業生産が伸びており、新潟は最新年度の作柄が良かったため最新の自給率が高くなっていると考えられる。

(2006年6月15日収録、2007年8月13日更新、2008年4月3日更新、2009年1月11日更新、2011年8月2日更新、農林省独自コードに気づかず2007年度までの新潟から静岡までデータが間違っていた点についてのお詫び掲載、2012年8月25日更新、2013年8月8日更新、2014年8月6日更新、2019年1月15日更新、お詫び削除、2020年8月6日更新)


[ 本図録と関連するコンテンツ ]



関連図録リスト
分野 地域(国内)
テーマ  
情報提供 図書案内
アマゾン検索

 

(ここからの購入による紹介料がサイト支援につながります。是非ご協力下さい)