“水”の安全性や選び方、活用方法を改めて考え直すことを目的とする「水を考えるプロジェクト」では、2015年に、観光地をはじめとした全都道府県の水事情を明らかにするため、全国47都道府県の10代から60代の男女4,700名(男女各都道府県50名ずつ)を対象に、「水についての意識実態調査」を実施した。

 ここでは、その結果から、地元の水をおいしいと思う県民割合を図録にした。

 分布マップを見ると、地元の水をおいしいと思う県民が多いのは、日本列島のはじっこの方の地域、特に日本海側(つまり、おおむねJR東北本線、東海道本線、山陽本線の沿線でない地域)でことが分かる。

 熊本、富山、鳥取が94%で同率1位である。これに次ぐのは、青森と石川の94%である。

 ねとらぼ(2023.5.2)は熊本の水道水のおいしさについてこうコメントしている。「熊本県の生活用水の約8割は地下水と言われ、特に熊本市においては100%という「日本一の地下水都市」として知られています。 天然のフィルターで濾過されていることでミネラルが豊富で、おいしい水を各家庭で飲むことが可能に。水源として阿蘇山周辺の火山灰層を使い、年間で全国平均以上に降る雨を濾過して豊富な地下水を作り出しています」。

 一方、関東・近畿・中部の大都市圏は20位圏外となっている。最下位は、沖縄と福岡の40%であり、千葉の44%、埼玉の45%がこれに次いでいる。

 下図には、別の調査による家庭で水道水を使う割合(浄水器使用を含め)との相関図を掲げた。これを見ると、おいしい水の地域ほど水道水をよく使っていることが分かる。

 熊本、鳥取のほか、おいしさ上位にランクインした都道府県ほど“米を炊く”、“味噌汁を作る”などの生活シーンで、地元の水道水をそのまま料理にも使用する県民が多い傾向がある。

 そして、下位都道府県ほど各シーンで“浄水器”、“ミネラルウォーター”、“ウォーターサーバー”を使用していると考えられる。


(2021年4月9日収録、2023年5月2日ねとらぼ引用)


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