ここでは全国の梅の名所を図示した。

 中国から渡来した梅の花は「百花の魁(さきがけ)」と呼ばれ、まだ寒さが厳しい時期に、サクラなどに先駆けて咲き、春の訪れを告げる。

 まさに「梅一輪一輪ほどの暖かさ」(嵐雪)。

 古来詩歌にうたわれてきたが以下は俳句の例。
  •  梅が香にのつと日の出る山路哉 芭蕉
  •  梅遠近おちこち南すべく北すべく 蕪村
  •  梅咲て帯買ふむろの遊女かな 蕪村
  •  梅咲きぬどれがむめやらうめじゃやら 蕪村
 罪深き身を嘆いて救ひを求めてきた室津(兵庫)の遊女に法然が女を哀れんで念仏の功徳を説いたことがよく知られているが、三番目の句は、そうした遊女も春めいて来ると帯が欲しくなる風情を叙す。最後の句は、当時の識者の間の表記法論争を梅林のにぎやかさに転じた妙句。

 他と異なり、観賞用ではなく、果実採取用だが、和歌山南高梅の「南部(みなべ)梅林」が規模的に最大。若狭三方五湖湖畔の「西田梅林」がこれに次ぐ。

 群馬の「秋間梅林」、神奈川の「曽我梅林」も大きい。

 梅の種数としては「大宰府天満宮」が目立っている。

 最も早咲きの梅として有名なのは、静岡の「熱海梅園」。

梅の名所とその特徴
名称 特徴
大宰府天満宮 菅原道真の「飛梅伝説」で有名な御神木「飛梅」
西田梅林 名勝「三方五湖」湖畔に天保年間から
秋間梅林 秋間川上流の広大な丘陵地一面
越生梅林 関東三大梅林。2万ha園内の周辺を含めると2万本
偕楽園/弘道館 関東三大梅林。日本三大名園/水戸藩藩校敷地
曽我梅林/小田原城址公園 関東三大梅林/小田原城址の観梅
吉野梅郷 2009年にウメ輪紋ウィルス感染で4万本伐採
南部みなべ梅林 他と異なり目的が観賞でなく果実。「一目百万、香り十里」。「南高梅」は南部高校にちなむ名
月ヶ瀬梅渓 県東部五月川の渓谷沿いの名勝
佐布里池梅林 愛知用水の貯水池「そうりいけ」周辺
伊豆月ヶ瀬梅林/修善寺梅林 雄大な天城連山との対比/富士山が眺められる100年超古木
湯河原梅林 標高626m幕山の麓
熱海梅園 最も早咲きの梅として有名。明治19年開園。100年超古木も
(資料)東京新聞大図解「梅をめでる」(2026年2月1日)

(2026年2月5日収録)


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