牛山さんが秘境駅にひかれはじめたのは1997年。その後、99年にホームページを開設し、著書や写真集も出したため、秘境駅ブームの火つけ人となった。 「開国後の日本をつくったのは鉄道。先人が培った土木技術で線路は山を貫き、繁栄を広めた。秘境駅はその遺産。「なぜここに駅があるのか」と想像し、たくましく残った駅舎を見ていると元気になれるんです」と牛山さんはいう(東京新聞2009.4.19)。 秘境駅ブームで乗降客が増えているところもあるそうだ。例えば、牛山さんがかつてここを訊ねた時、近づく野犬の遠吠えに棒を握ったことを覚えている「尾盛駅」。駅への車道はおろか歩道もないという。 大井川鉄道「尾盛駅」(静岡県川根本町) 乗降客数 1998年度 86人 2007年度 254人 2008年度 522人(2月末まで) 秘境駅は、廃止するとなるとホームの撤去や近隣駅の表示板の付け替えなどけっこう費用がかかるが、維持しているだけならコストがほとんどかからないため、存続しているといわれる。 なお、牛山さんは秘境度ランキングを状況変化に応じて改訂している。最新のランキングは「秘境駅へ行こう!」という牛山氏のHPで得られる(図録と若干の入れ替えがあるようだ)。 検索のため、秘境駅を秘境度の高い順に20駅並べておくと、小幌(室蘭本線・北海道)、小和田(飯田線・静岡)、尾盛(大井川鉄道・静岡)、田本(飯田線・長野)、押角(岩泉線・岩手)、八ツ森(仙山線・宮城)、坪尻(土讃線・徳島)、大志田(山田線・岩手)、古瀬(根室本線・北海道)、浅岸(山田線・岩手)、田子倉(只見線・福島)、赤岩(奥羽本線・福島)、旧白滝(石北本線・北海道)、金野(飯田線・長野)、初田牛(根室本線・北海道)、男鹿高原(野岩鉄道・栃木)、下白滝(石北本線・北海道)、もたて山(坂本ケーブル・滋賀)、ほうらい丘(坂本ケーブル・滋賀)、大畑(肥薩線・熊本)である。 (2009年5月25日収録、2010年10月21日牛山氏HPへのリンク)
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