経営規模の大きな私鉄16社が大手私鉄(民鉄)と呼ばれている。ここではそれらの路線距離と収益のランキングを図録にした。

 図の会社名に示したように、戦時統合で巨大化した私鉄から、戦後、数社が独立し、大手14社体制が形成され、その後、相模鉄道(相鉄)が昇格、営団地下鉄の民営化で東京メトロが加わわり16社体制となった。

 鉄道名は地域名や起点・終点名によっている。知っている人も多いと思うが、京成は「東京−成田」、京王は「東京−八王子」という意味である。

 営業距離が最も長いのは、関西の近鉄の501.1キロであり、関東の東武が463.3キロで続いている。名古屋の名鉄が44.2キロで3番目であるが、4位の東京メトロ以下はこれら3社の半分以下の路線しか持っていない。

 営業収益では、東京中心部の地下を走る東京メトロが圧倒的に多く、東武、近鉄、東急がこれに続いている。

 以下に、首都圏の主要な私鉄の概要を示す。

首都圏の主要な私鉄の概要
東武 関東で一番の路線の長さを誇る。主な路線は、国際的観光地の日光や鬼怒川温泉方面などへ向かうスカイツリーライン(伊勢崎線)と池袋から埼玉へ向かう東上線。支線も多い。浅草から観光用の特急が各地へと向かう。
東京メトロ 銀座線など9路線を運行する。車両数、営業収益、輸送人員が大手私鉄の中で最多。行政改革の一環で民営化したが、現在でも国と東京都が全株式を保有している。
西武 武蔵の国の東部に由来する東武に対し、西部を走る。主な路線は通勤客が多い池袋線と新宿線。秩父や川越へは観光客向けの特急も走っている。路線の発祥はJR中央線の支線だった川越鉄道(国分寺〜川越)(詳細)。
京成 東京都心から成田空港へのアクセスで、最も早いといわれを「スカイライナー」を走らせている。座席指定の有料列車で、外国人の利用も多い。
小田急 箱根へ向かう特急「ロマンスカー」が人気列車。男女が並んで座るのにいいと名付けられたという。運転席が車両上部にあり、先頭と最後尾が展望席になっている編成もある。新宿駅をターミナルに通勤客も多く運ぶ。
東急 東京の西側と横浜の間のエリアに路線を持つ。ステンレスカーがシンボル。路線の長さの順位は低いが、通勤・通学に使われ営業収益が多い。
(資料)東京新聞(2019年1月26日)ほか

 これら以外の大手16社は、図の順に、西鉄、近鉄、南海、阪急、京阪、阪神、名鉄、京急、京王、相鉄である。

(2019年2月1日収録)


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