情報通信技術(ICT)の発達と普及の下で、近年、クラウド・IoT・ビッグデータ・人工知能(AI)といったデータドリブン技術(data-driven technologies)の発達と普及が著しい。ここでは、この点に関し、OECD諸国にブラジル、ブルガリア、ルーマニアといったOECD加盟候補国を加えた世界38カ国における企業導入率のランキング・データを掲げた。

 取り上げているクラウド、IoT、ビッグデータ、人工知能(AI)の4つのデータドリブン技術は、Y軸の目盛の上限がだんだん下がることからもうかがえるように、この順番で世界的普及が進んでいる。AIは一番後発だが、最近、急激に利用が広がりつつある。ちょっと妙なことに米国のデータは欠落している。

 日本のランキングは、クラウド、IoT、ビッグデータ、人工知能(AI)の4つのデータドリブン技術で、ぞれぞれ、下から5位、7位、2位、3位と企業への導入率は低い。

 こうした普及が急速に進みつつある事項に関してはデータ年次の違いが大きく作用する点を忘れてはならないが(例えばクラウド、AIの日本の導入率が低いのはデータ年次が大方より1〜2年遅れであるからという側面が大きい)、おおかまかにいって日本の新技術導入のスピードは遅いと言わざるを得ないだろう。

 日本は、コンピュータやインターネット自体、あるいはスマホ、ネットショッピング、電子マネー、SNSなどでもそうだったが、それらを使わなくとも便利な社会となっているので導入は遅いが、どうしても必要と分かれば遅れはするが普及は他国以上に進む傾向がある。データドリブン技術に関しても同様の傾向があらわれているだけとも考えられる。

 日本とは対照的に、韓国はクラウドを除く3つで首位となっており、ICT関連技術の先取り導入が目立つ。

 それぞれの上位3か国をあげると以下の通りである。
  • クラウド(フィンランド、オーストラリア、スウェーデン)
  • IoT(韓国、オーストリア、スロベニア)
  • ビッグデータ(韓国、オランダ、デンマーク)
  • AI(韓国、デンマーク、フィンランド)
 韓国のほかでは北欧諸国の導入率が高い点が目立っている。

(2024年7月15日収録)


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