毎年の経済活動に必要な経費を超過する、新商品や新生産方式を生み出すための研究開発(R&D)に企業や政府、公的機関がどれだけの支出を行っているかは、将来へ向けた国の活力を測る重要な指標である。

 まず、主要国・地域におけるR&D支出の絶対額の推移を見ると、米国が何といっても最大の規模を有し、また伸びの大きい点が目立っているが、2000年にはフランス一国をも下回るほどの小規模だった中国が、その後、大きく支出額を伸ばし、今や、米国に迫る規模に達している点がさらに目立っている。

 なお、研究開発(R&D)には軍事技術のようにGDPで測られる経済の成長に直接は寄与しないものも含まれている点には留意が必要である。

 2000年から21年にかけての支出額の倍率は米国は2.0倍であるのに対して中国は15.6倍となっている。

 これに対して、ヨーロッパはEU22で1.7倍、ドイツが1.6倍と米中を下回っているが、日本は1.3倍とさらに低くなっており、国力の停滞を端的にあらわしている。図中の国の中では韓国が4.9倍と米国を上回っている。

 中国や韓国のR&D支出額の大きな伸びは、そもそも経済規模が大きく成長している結果の側面も当然ある。R&D支出額は経済規模との対比で見ておく必要もある。

 そこで後半の図では、研究開発集約度としてR&D支出額の対GDP比をOECD諸国及び中国について比較したデータを掲げた。

 直近年の指標値の高い順に国を並べてあるが、OECD平均を上回っている上位12か国は、高い順にイスラエル、韓国、米国、スウェーデン、日本、ベルギー、オーストリア、ドイツ、フィンランド、英国、デンマーク、アイスランドである。

 その中でもイスラエル、韓国はそれぞれ5.6%、4.9%とOECD平均の2.7%を大きく上回っているのが目立っている。この2か国は、研究開発に国の将来を賭けている側面が強い国といえるだろう。

 この2か国に次いで値が高いのは、順番に、米国、スウェーデン、日本である。日本はGDPが伸びていないのでR&Dの伸びも小さいが、研究開発集約度は、なお、高いレベルを維持しているととらえられよう。日本は国力が衰えたとはいえ、そう現状に甘んじてばかりはいないのである。

 研究開発集約度のグラフで取り上げている35か国は、具体的には、順番にイスラエル、韓国、米国、スウェーデン、日本、ベルギー、オーストリア、ドイツ、フィンランド、英国、デンマーク、アイスランド、中国、オランダ、フランス、スロベニア、チェコ、ノルウェー、エストニア、カナダ、ポルトガル、ハンガリー、イタリア、ギリシャ、ポーランド、スペイン、リトアニア、トルコ、アイルランド、ルクセンブルク、スロバキア、ラトビア、チリ、メキシコ、コロンビアである。

(2023年4月202日収録)


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