店舗でパンを焼いて売る製造小売のベーカリー店は1985年の1万3千店から2007年の2万5千店へと大きく増加しが、2014年にかけては1万7千店へと淘汰が進んだ。

 独立した店舗を構える専門ベーカリー店(パンの製造小売が主の個店とチェーン店)のみの動きでは、すでに1997年を境に減少に転じた。それ以降、いわゆる量販店のインストアベーカリーなどが一時期増加する中で、専門ベーカリー店はむしろ一貫して減少傾向にあった。

 パンの総販売額は、工場で製造し、スーパーやコンビニで、あるいはベーカリー店以外の古いタイプのパン屋で売られる「流通パン」とベーカリー店で自ら製造して売られる「ベーカリーパン」とからなるが、後者の比率は、2002年までには上昇していたが、それ以降、2007年にかけて減少し、2014年には回復したが一時期ほどではない。流通パンの価格の安さに対してベーカリーパンに割高感があること、また流通パンでも焼きたてパンに近い品質のものも現れてきているからだと思われる。

 さらに手作り志向が高まり、また一方で家庭でのコスト意識が高まる中で、家庭用パン焼き器(ホームベーカリー)の機能や用途が広がり(1987〜88年に第1次ヒット)、最近は米粒からパンを作ることができる三洋電機「GOPAN(ゴパン)」(2010年)があらわれ、手軽にパン作りができるようになってきている。このため、ベーカリー店は、ホームベーカリーと流通パンに挟撃されて厳しい状況にあるのではないかと考えられる。

 ところが、経済センサスデータを含む2012年以降の3年次の推移を見ると、再び、専門ベーカリー店は増加傾向にある。パンの手作りはやはり大変であったり、量販店のインストアベーカリーが低迷しているためかもしれない。

(2011年8月31日収録、2013年11月27日更新、2016年3月10日更新、2018年5月20日更新)


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