映画、ドラマ、ドキュメンタリーなどの有料の映像ソフトを視聴する方式は、ビデオやDVD、ブルーレイを購入するセル市場やそれらをツタヤなどのレンタル店で借りるレンタル市場からネットフリックスなどのサイトを通じて有料で動画配信を受ける配信市場を通じたものへと大きく変化してきている。

 ここでは、日本映像ソフト協会の報告書からセル市場、レンタル市場、配信市場の市場規模の推移を不破雷蔵氏が整理した同じデータを積み上げ棒グラフと折れ線グラフで視覚化した。

 最初の積み上げ棒グラフでは全体のスケール感の推移がよくあらわされている。

 セル市場やレンタル市場が2000年代後半に衰退し、全体の映像ソフト市場が縮小しつつあったが、2013年にはじめてデータが集計された配信市場がその後、大きく伸張し、前2者の縮小を上回った増加を続けたため、全体の市場規模も拡大傾向に転じた姿が、よくあらわされている。

 2番目の折れ線グラフでは、どの市場が最大かの推移が明解であるとともに各市場の衰退、伸張の年次変化がよく読み取れる。

 最多市場の変化は以下のような変遷を経ている。
  • 2005〜11年  レンタル
  • 2012〜18年  セル
  • 2019年以降  配信
 年次変化としては、2020年に配信市場が急拡大した様子が明解である。これは、新型コロナ流行の影響で外出が抑制され、通信ネットワークを利用した在宅ワークや在宅学習が大きく伸びた時期に当たっており、その流れで有料動画配信サービスの利用の増え、配信市場が大きく成長したためである。

 参考までに、主要動画配信サービスの日本における配信開始の年次を記すと以下の通りである。

U-NEXT、2007年
hulu、2011年
ネットフリックス(NETFLIX)2015年
アマゾンプライムビデオ(Amazon prime video)2015年
Disney+、2020年
WOWOWオンデマンド、2021年

(2024年6月13日収録)


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