例えば、「アイスクリーム・シャーベットは夏季の7〜8月に多いが、2018年は7月が最多であったが、同月に長梅雨で気温の低い日が続いた2019年には、むしろ、8月が最多となるという変化が生じた」といった分析が可能である。また、2019年のゴールデンウィークは、連休日数が多かったため、先立つ3〜4月における鉄道運賃への支出が多かったといえる。 さらに、ティッシュペーパーの月別支出についてみると,2019年10月に消費税率が8%から10%に引き上げられたのに伴う引上げ直前の駆け込み需要により前年同月に比べ、同年9月は大幅な増加となったことが分かる(以上、総務省統計局「家計簿からみたファミリーライフ」2020年より)。 ここでは、通学用かばんの月別支出金額のこの10年間における変化から、親というより祖父母の財布をターゲットにしたランドセルの販売戦略の興味深い変化をうかがうことができるので、関連するグラフを掲げた。 このデータについて、同上資料は以下のようにコメントしてる。 ラン活 購入時期が早まる通学用かばん 商品の中には、消費者が購入する時期が、昔とは異なってきているものがあります。 通学用かばんの支出金額は、10年前は年明け以降の1〜3月にかけて多くなっていました。5年前は夏頃から徐々に多くなる傾向がみられ10月に最も多くなっていました。最近では7月が最も多く、次いで8月となっており、また,5月も多くなってきているなど、購入時期が大きく変化しています。 最近は、ランドセルメーカーや小売店が,祖父母が孫のために購入する需要を見込んで、親が子を連れて帰省する夏休みシーズンや4、5月のゴールデンウィークを狙い,春頃から翌年用のランドセルの新商品の販売を開始するようになりました。また、ランドセルの色や素材は多種類から選べるようになり、人気ブランドやデザインによっては、早々に売り切れることも珍しくないため、購入時期が早まる傾向にあるようです。 小学校入学を控えた子供のランドセルを選び、購入するための活動が、激化、早まる傾向が、最近顕著となり、この活動を指してを指す「ラン活」という造語が生まれているほどである。 近年は少子化で子供の数は減っている中でこの「ラン活」が非常に激化している。その背景としては、少子化が原因で両親と父方、母方の祖父母、合わせて6人から子ども1人にお金をかけることになるので、より良いランドセルを買ってあげるたいという風潮が高まってるからだと考えられる。 こうした風潮を冒頭のグラフは端的にあらわしているととらえることができる。 (2020年9月1日収録)
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