本日(2014.7.31)も、この図で今やアマゾンを抜き世界第2位の時価総額のアリババ(下段コラム参照)と日本のソフトバンクが日本の通信アプリ会社LINEとの出資・提携関係の交渉しているとヤフーニュースで報じられた。LINEの親会社である韓国のネイバーは株式売却については言葉を濁しているという。なお、米ヤフーがアリババ株の22.5%、日ソフトバンクが34.3%を保有しているといわれる。この図録はこうした複雑な資本関係の中身を知れば、表面的以上の情報となるかも知れない。 なお、アリババは、その後、2014年9月19日にニューヨーク証券取引所に上場し、「調達するお金は最大250億ドル(約2兆7200億円)に達し、上場時の調達額で世界最大になる見通しだ。企業の価値を示す株式時価総額は約2310億ドル(約25兆円)」と」報じられた(朝日新聞2014.9.21)。図録のデータからさらに300億ドルほど増えたという勘定である。また「ソフトバンクの持ち分は、直近の簿価で約1300億円。それが今回の上場で、一気に約8兆円の含み益を得る計算になる」(同)。 データとグラフの描画法は英国エコノミスト誌(The Economist July 12th 2014、データは連動サイトEconomist.com/startups14)によった。図と下に掲げた原データ表によると、以下のような特徴が見て取れる(コメントも同誌記事を参考にした)。 ・米国のグーグル、アマゾン、フェースブックは世界的に注目が集まるインターネット企業であるが、中国のeコマースの巨人企業アリババが世界第2位の地位を占めていることは余り知られていない(下段コラム参照)。中国経済の躍進を示す1事例である。 ・日本を上回る南アフリカのナスパーズの高い順位は驚きだが、2位、3位が低い点から、はずれ値の面も大きい。 ・日本のLINEは親会社の韓国トップのネイバーより時価総額が大きくなっている。 ・米国のグーグルの時価総額は、3番目の南アフリカ以下48カ国の3位までの企業の時価総額の合計より大きい。 ・米国の2位、3位企業のアマゾン、フェースブックはグーグルと中国のアリババを除くと世界最大。 ・インドはIT産業大国の割には、大きなインターネント企業は存在していない。 ・イスラエルやシンガポールは国の規模の割にトップ企業の地位が国際的に高い。 ・国別順位であると欧州主要国としては8位の英国が最上位であり、ヨーロッパの産業力に懸念が残る。そういう意味では、4位〜5位の日本や韓国の地位は低くないことが分かる。
世界のインターネット企業の時価総額(各国トップ3)
(資料)The Economist July 12th 2014(データは連動サイトEconomist.com/startups14) (2014年7月31日収録、9月7日コラム追加、9月21・22日アリババのNY市場上場の新聞記事により本文とコラムを補訂)
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