富裕層(お金持ち)はどのような人達なのであろうか。ここでは、かつて国税庁が公表していた「高額納税者名簿」による職業分布をグラフにした(現在では高額納税者名簿は非公表)。

 この名簿では、年3000万円以上の所得税を払っている人を高額納税者としている。納税額から逆算するとほぼ年所得1億円の人と見なすことができる。

 高額納税者の中で多いのは、企業家(企業のトップ、社長や会長)、及び経営幹部(取締役や重役)であり、それぞれ、31.7%、11.6%、合計して、43.3%となっている。

 こうした経営者階層と並んで、目立っている職種は、医師であり、15.4%を占めている。

 経営者と医師が富裕層の2大職種と言えよう。弁護士、芸能人、スポーツ選手などもそう数は多くないが高額納税者名簿に顔を出している。

 この他、「その他」に属するなかに、土地所有者、株などの資産家が含まれており、こうした資産家も、土地売却や地代、家賃収入などで高額納税者となっている。

 地域別には、東京では、経営者とその他に含まれる資産家が多くなっているのに対して、東京以外では、医師が多いのが目立っている。地方における医師の地位の高さがうかがわれる。

 比較のため米国の高額納税者の職業構成を以下に掲げた。企業経営者や法律家が多い点は同じであるが、金融専門家が特別に計上されていて比率も18%と多い点が目立っている。


(2007年6月5日収録、2012年8月15日米国データ追加)


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