もうひとつ、低所得世帯にとって水道料金がどの程度負担となっているかを見るため、最下層10分の1の世帯の可処分所得に占める上下水道料金比率を見たグラフを掲げた。これを見ても日本は1.4%と低い。一方、ハンガリー、メキシコ。ポーランドでは4%んよ8%と高い負担率となっている。 以下はデータの出所であるOECDのHP "Water - The right price can encourage efficiency and investment"からの引用である。 「OECD諸国では多くの国で世帯や企業はますます自分たちが消費する水の本当のコストを払うようになっている。「水資源と上下水道サービスの料金設定」(レポート)によれば、ユーザー負担の使用料を通じてこの点が実現しており、この方が、水源からの取水や水供給ばかりでなく汚染を回避するための廃水処理を含んだ実際の費用と処理料をよりよく反映するとされる。 上下水道料金はOECD諸国の中でも大きく異なっている。バスタブ一杯の水は、デンマークやスコットランドではメキシコより10倍も高い。一方、アイルランドの家庭は水に対して一切料金を払っていない。水道料金のこの10年間における上昇は主として環境保全対策とそのための処理への投資コストをまかなうために下水道料金が高くなったためである。 水道の価格政策において財政的目的と環境上、社会上の目的とをバランスさせることがなお課題となっているOECD諸国が多い。例えば、ハンガリーやメキシコの低所得者は自分たちの可処分所得の4%以上を上下水道に支払う場合がある。」 なお、図で取り上げた22の国・地域は、単位料金の低い順に、メキシコ、韓国、ポルトガル、ギリシャ、イタリア、カナダ、日本、スペイン、ニュージーランド、ハンガリー、ポーランド、チェコ、オーストラリア、スイス、スウェーデン、フランス、英国A&G、ベルギー(ワロン)、ベルギー(フランデレン)、フィンランド、英国ECO、デンマークである。 (2010年4月8日収録)
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