エコロジカル・フットプリントとは、食料や住宅、工業製品など人間が生きるために必要な物を生産したり、CO2など廃棄物を吸収・浄化するために必要な土地・水域面積のこと。消費が多いほどフットプリント(足跡)は大きくなる。具体的には、農地、牧草地、森林、エネルギー地(CO2吸収源としての森林等)、生産能力阻害地(建物や道路建設の敷地など生産能力奪われた土地、海洋・淡水域のすべて必要とした面積を合計する。世界共通の指標となるよう面積はグローバルヘクタール(gha)という単位を用いる。例えば、水田は、世界の平均的な土地の4.4倍の生産能力があるとして1haが4.4ghaとして計算される。


 図には、主要国(日本、米国、カナダ、ドイツ、英国、アルゼンチン、中国、インド)のエコロジカル・フットプリントを示した。資源消費量の面積換算が自然生産能力の面積換算を上回っているほど、環境に負荷を与えている程度が大きいこととなる。

 この生態学的指標は、マティース・ワクナゲル氏が1992年に、カナダのブリティッシュコロンビア大学院生時代に、ウィリアム・リース教授と共同開発したもの。

 世界平均でも、資源消費は自然の生産能力をかなり上回っており、持続可能な状況となっていないが、日本の場合は、前者が後者を大きく上回っており、他国の資源・自然生産能力に大きく依存していることが伺われる。

 自治体の施策、企業の生産活動、地域などを対象とした算出も可能であり、世界ではスイス、国内でも滋賀県などで、この指標を使った環境計画・地域計画への検討、取り組みが進んでいると言われる(東京新聞2006年4月3日による)。

(2006年4月6日収録)


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