生物の分類は、大きい順に、門−綱−目−科−属−種に階級分けされる。場合によっては各階級の前後にさらに分類が大別ないし細分される。例をもって示すと、 界−動物界 門−節足動物門 綱−昆虫綱 亜目−多食亜目 目−甲虫目 科−コガネムシ科 亜科−カブトムシ亜科 属−カブトムシ属 種−カブトムシ 末尾に参考として「目」と「科」の例を一覧表で示したが、「目」はタコ、クモ、トンボ、甲虫、カメ、クジラといった基本デザインを指し、「科」はマダコ、ジグモ、オニヤンマ、コガネムシ、スッポン、マッコウクジラといった応用デザインを指す。 図の左側に海生動物の目の数と科の数の推移を示した。 基本デザインである「目」は4億数千年前の古生代オルドビス紀までに「エディアカラ動物群」「カンブリア紀の爆発」を通じて大方が出揃ったのち、さらに中生代ジュラ紀、白亜紀でさらにやや増加している。 応用デザインである「科」も同様であるが、中生代ジュラ紀、白亜紀、新生代第三紀でさらにかなり増加している点が異なっている。 さらにこうした生物の体制の多様化は、数回の絶滅時期を乗り越えて進んできている。 過去、5回の大きな絶滅が起こっており、この時期には、目や科は減少した。しかし、減少は一時期に止まり、欠けた生物の生息環境を新しい生物がすぐ埋める形で生命は進化したことがうかがえる。 5大絶滅の特徴
(資料)リチャード・サウスウッド「生命進化の物語 」原著2001 右側に示準化石として有名なアンモナイトの種類の変遷を出現から絶滅まで追った図を掲げた(平野弘道「恐龍はなぜ滅んだか (講談社現代新書) 」1988年)。ここで示準化石とは、それが見つかることで、その地層がある特定の地質時代であることが判断できる地域的に広く分布していた化石を指す。非常に印象的なのは、生物一般を襲った3回の絶滅時期に、アンモナイトについていも、やはり多くの種類が絶滅したが、そのうち1種類が生き残って、そこから多種が進化していった状況である。そして、最後には、恐竜が絶滅した白亜紀から第三紀にかけてついに全体が絶滅するに至っている。 このように絶滅をくぐり抜けて進んできた生物進化の果てに我々人類が存在していることを知ることは大事なことだと思う。 (参考) 「目」と「科」の例
(2007年3月28日収録)
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