動物のまばたき回数をグラフにした。

 1分間に42.9回のスーダンザルからまばたきがほとんどないマングース、ウサギ、カメと差は大きい。われわれ人間(ヒト)は約20回である。

 まばたきには、目を潤す以外を含めて以下のような役割が考えられている(毎日新聞2019年2月14日による)。
1.目を潤す
眼球を乾燥からふせぐため。ただしヒトの場合1回当たりの涙の量は0.002mlであり、目を潤すだけなら1分間に3回すれば十分なので、これだけでは約20回まばたきする理由の説明がつかない。
2.ゴミや光から目を守る
強い光を浴びると反射的にまぶたを閉じる仕組みが備わっている。
3.脳のリフレッシュ
中野珠美大阪大准教授(認知神経学)によれば、映画を一緒に見るとシーンの区切りに一斉にまばたきするのは、注意力をつかさどる脳の部位を一瞬目を閉じている間に沈静化させ、次に来る情報に備え、脳をリセットしている可能性があるという。
4.他者とのコミュニケーション
京都大霊長類研究所の多くの霊長類に対する観察結果によれば、霊長類のまばたきの回数は、体重さや昼行性か夜行性かの差のほか、群れの仲間の数が増えると増えるという相関が見られた。上の中野准教授によればヒトが会話しているときまばたきのタイミングが合うようになるという。話の間を共有することによって人間同士のコミュニケーションに役立っている可能性がある。
 

 取り上げている動物は、図の順番に、スーダンザル、ウマ、ウシ、ヒト、オオカミ、ゾウ、チンパンジー、イヌ、ライオン、マングース、キツネ、ネコ、ウサギ、カメ、オマキザル、ゴリラ、スローロリスである。

(2019年3月5日収録)


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