地下から高温の熱水を取り出しタービンを回して発電する地熱発電には、地中から取り出した蒸気を直接使用する「蒸気発電」と、低沸点の物質ペンタン(沸点約36度)など2次流体を沸騰させる熱源として地下の余り高温でない熱水を使う「バイナリー(サイクル)発電」とがある。 地熱発電のメリットとしては、
火山の多い日本では地熱資源量が2,347kWと米国やインドネシアとともに世界3大地熱大国のひとつとみなされている。ところが、2010年の日本の地熱発電設備容量は53.6kWと地熱資源量が比較的多い図中8か国の中でも最小となっている。世界全体で地熱発電の導入が増えている中で日本の場合は地熱発電所の開発の遅れから地熱発電量の横這いが続いているためである。 開発が遅れている理由としては、
ところが、大震災以降、地熱発電開発への追い風が以下のように吹くようになっているので今後は増加が見込まれる。
図録で取り上げた主要国8か国は具体的には米国、インドネシア、日本、フィリピン、メキシコ、アイスランド、ニュージーランド、イタリアである。また国内17地熱発電所は、具体的には、森(北海道森町)、松川(岩手県八幡平市)、葛根田1、2号(岩手県雫石町)、鬼首(宮城県大崎市)、大沼(秋田県鹿角市)、澄川(秋田県鹿角市)、上の岱(秋田県湯沢市)、柳津西山(福島県柳津町)、八丈島(東京都八丈町)、杉乃井(大分県別府市)、大岳(大分県九重町)、九重(大分県九重町)、八丁原1、2号(大分県九重町)、八丁原バイナリー発電設備(大分県九重町)、霧島国際ホテル(鹿児島県霧島市)、大霧(鹿児島県霧島市)、山川(鹿児島県指宿市)である。 (2012年5月23日収録)
[ 本図録と関連するコンテンツ ] |
|