食品群ごとに実際どの程度塩分を摂取しているかは図録2171に示した。ここでは政府の研究所(医薬基盤・健康・栄養研究所)が国民健康・栄養調査のデータを独自集計した結果から、普通は得られない個別食品ごとの塩分摂取量を見てみよう。

 食べている者が一定以上の割合の個別食品について、その食品を食べた人がその食品からどのくらいの塩分を摂取しているかのランキングをグラフにした。

 塩分の多い食品のトップに位置するカップめんやインスタントラーメンを食べると5g以上の食塩を摂取することになり、それだけで「日本人の食事摂取基準(2015年版)」における食塩摂取量の目標値である男性8g未満、女性7g未満の半分以上となる。

 食べると食塩を多く摂取することになる食品の20位までのランキングは、(1)カップめん、(2)インスタントラーメン、(3)梅干し、(4)高菜の漬け物、(5)きゅうりの漬け物、(6)辛子めんたいこ、(7)塩さば、(8)白菜の漬け物、(9)まあじの開き干し、(10)塩ざけ、(11)大根の漬け物、(12)パン、(13)たらこ、(14)塩昆布、(15)かぶの漬け物、(16)福神漬、(17)キムチ、(18)焼き豚、(19)刻み昆布、(20)さつま揚げ、である。

 なお、カップめんなどは、スープを飲み干したと仮定した数字である(東京新聞2017年5月19日)。

 以上は、食べたときに食塩を多く摂取することになる食品のランキングであり、実際に、日本人がそれらから摂取している食塩量は摂取者率を掛け合わせなければならない。

 実際の1人1日当たりの食塩摂取量は、摂取者率の高いパンが0.36gと最も多く、各種漬け物(梅干し、および高菜、きゅうり、白菜、大根、かぶの漬け物)の合計が0.35gとこれに次ぐ量となっている。

 カップめんやインスタントラーメンは食べると非常に多くの塩分を摂ることになるが、食べる人は1%台とそれほど多くないため、実際にそれらから摂取している1人1日当たりの塩分量は、両方とも0.08gとそれほど多いわけではない。

 次に、参考のために、市販の即席食品、料理店の料理、弁当などを一食食するとどれだけ塩分を摂ることになるのかのデータを掲げた(企業名のないものは一般的な料理店のメニュー)。即席麺にせよ、料理店のメニューにせよラーメンが最も塩分が多いことが分かる。きつねうどんや幕の内弁当もかなり塩分が多い。


 特定の栄養分が多い食品は何かというデータとしては食品成分表がよく使用される。食品成分表から100g当りの食塩含有量の多い食品については、図録0341に掲げたので参照されたい。もっとも、これは、上のデータとは異なり、食事における実際の摂取量、頻度を考慮していないので、塩分の多い食品というより、「塩辛い食品のランキング」だといえよう。

(2017年7月6日収録、2018年4月25日「食塩含有量の多い食品」を「塩分の多い市販食品・調理食品」に差し替え)


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