まず日本の要介護高齢者の割合であるが、以下の通り、要介護全体で12.4%、要支援1〜2を含めると16.9%である。高齢者10人のうち1人から1.5人程度が介護対象高齢者なのである。要介護認定を受けた高齢者のほとんどが介護サービスを受けていると考えられる。 介護保険第1号被保険者の内訳(2010年度末)
(資料)介護保険事業状況報告(年報) OECD統計にもとづく上図における日本の割合はOECD平均をやや上回る12.6%となっている。この値は表の中の要介護認定を受けた高齢者の割合(要介護5から要介護1までの累積人数の割合)がほぼ対応している。 このOECD統計における「介護サービス受給者」の定義は以下である。
日本の介護サービス受給割合はほぼOECD平均と同じである。もちろん高齢者比率が日本は世界一なので人口全体に占める介護サービス受給者の割合ではずっと順位が高くなる。 介護サービス受給割合には、介護サービスに関する制度の普及度と高齢者の健康度の2つが影響すると考えられる。介護サービス受給割合が平均程度なのだから、もし、世界と比較して日本人の高齢者の健康度が高いとすると対象者は少ないはずであり、その割に受給者が多いということは制度の普及度が高いことになる。韓国の受給者割合が3.2%と低いのは、健康度が高いというよりは制度の普及度が低いからであろう。 在宅と施設の割合では日本は比較的施設が少なく在宅が多い部類に入る。日本の施設比率は22.2%と施設のデータのないイタリアを除くと、イスラエルの10.4%、チェコの16.8%に次ぐ低さとなっている。介護施設の整備が遅れているのか、あるいは在宅介護の考え方が普及し制度・システム・人材が充実しているためと考えられるが、前者の側面が強いのだろう。 図で取り上げたOECD諸国は29カ国、具体的には受給者比率の高い順に、オーストリア、イスラエル、オランダ、ノルウェー、スイス、スウェーデン、デンマーク、ニュージーランド、オーストラリア、チェコ、ルクセンブルク、日本、フィンランド、ドイツ、フランス、ハンガリー、エストニア、ベルギー、スロベニア、米国、アイスランド、スペイン、アイルランド、イタリア、カナダ、スロバキア、韓国、ポルトガル、ポーランドである。 (2012年10月17日収録)
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