内閣府が55歳以上の男女を対象に行った調査によると、「万一、あなたが治る見込みがない病気になった場合、最期はどこで迎えたいですか」という設問への回答では、「自宅」で最期を迎えたいとする比率が54.6%と半数を越えていた。2番目に多いのは「病院などの医療施設」の27.7%であり、これに福祉施設、ケア付住宅がそれぞれ4%台で続いていた。子どもの家や親族の家は1%未満と少なかった。

 男女別に見てみると、「自宅」の値が男62.4%、女48.2%と男の方が自宅死希望が多い。これは、男の方が配偶者と暮らす割合が高いからと思われる。

 この点を確認するため配偶関係別の自宅割合の結果を見てみると、既婚のうち有配偶が57.7%と最も高く、死別、離別、未婚は、それぞれ、49.5%、42.9%、32.5%とだんだんと低くなっている。普段、一緒に暮らしている配偶者がいると自宅で最期を迎えたいという気持ちになるようだ。

 世帯構成を「夫婦のみ世帯」、「二世代世帯」、「三世代世帯」に分けた「自宅」の割合は、それぞれ、55.2%、58.9%、59.0%とそれほど大きな差がないので、子ども(あるいは親)と同居しているかは余り影響していないようだ。なお、世帯構成が「一人暮らし」の自宅割合は35.2%と医療施設の36.2%を下回っている。「一人暮らし」の男女別の結果を知りたいがそうした集計がないようだ。

 自宅で最期を迎えたいというのは、皮肉っぽく言えば、普段、自分のからだの健康管理まで妻に任せている高齢男性のわがままな希望だともいえる。

 同じ設問の国際比較調査の結果は図録1514参照。

(2016年7月13日収録) 


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