出生児が第1子か第2子か、それ以降かという統計はあるが、子どもが現在1人っ子かどうかという統計は取られていないので貴重かもしれない。15歳児で1人っ子であれば、これから弟や妹ができる可能性は低いのでほぼ確定的な1人っ子比率と言ってよかろう。 図にはOECD諸国とそれ以外で調査に参加したパートナー諸国に分け、1人っ子比率の低い順に各国の1人っ子比率を示した。 OECD諸国の中で値が最も低いのはノルウェーの4.0%であり、もっとも高かったのはポルトガルの17.3%だった。 ノルウェーに次いでデンマーク、スウェーデンで1人っ子が少なく、ポルトガルに次いでイタリア、スペインで1人っ子が多い。すなわち北欧諸国では兄弟姉妹が多く、南欧諸国では1人っ子が多いというヨーロッパ内での地域差が目立っている。 パートナー諸国の比率のばらつきはさらに大きく、最低はコソボの2.7%であるのに対して、最高は香港の23.8%だった。 1人っ子政策を長く続けていた中国の1人っ子比率が知りたいところであるが、この年のPISA調査にはデータがない。2017年のISSP調査では成人全体の結果であるが、兄弟姉妹がいない割合は中国は14.0%だった(日本は7.6%、兄弟姉妹がすべて死去している場合も含まれる点に注意が必要)。思ったほど高い値ではないようだ。 なお、香港の中国本土の一人っ子政策(その後の後継施策)は適用されていないので香港(あるいはマカオ)の1人っ子の多さはその影響によるものとは考えられない。 日本はOECD諸国の中で韓国と並んで4番目に高い13.0%だった。 取り上げた国は79カ国であり、具体的には、グラフの並び順に、ノルウェー、デンマーク、スウェーデン、メキシコ、アイルランド、ニュージーランド、フィンランド、米国、フランス、オーストラリア、オランダ、チリ、ベルギー、トルコ、チェコ、コスタリカ、スイス、英国、カナダ、エストニア、コロンビア、オーストリア、スロベニア、ドイツ、スロバキア、ラトビア、リトアニア、ギリシャ、ポーランド、ハンガリー、日本、韓国、スペイン、イタリア、ポルトガル、コソボ、ドミニカ共和国、カタール、グアテマラ、ウズベキスタン、カンボジア、サウジアラビア、モロッコ、ブルネイ、ペルー、パナマ、パラグアイ、アルバニア、インドネシア、マレーシア、アラブ首長国連邦、ジャマイカ、カザフスタン、モンテネグロ、ベトナム、エルサルバドル、アルゼンチン、アゼルバイジャン、北マケドニア、ウルグアイ、モンゴル、パレスチナ、キプロス、クロアチア、ジョージア、ヨルダン、ブラジル、フィリピン、セルビア、タイ、モルドバ、シンガポール、ウクライナ、台湾、マルタ、マカオ、ルーマニア、ブルガリア、香港である。 (2025年6月21日収録)
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