我が国の百歳(100歳)以上の高齢者は平均寿命の伸びにともなって大きく増加している。2010年には、足立区で都内最高齢の111歳とされていた高齢者がミイラ化した遺体で見つかった事件(7月)をきっかけに所在不明高齢者の問題が浮上したため、この年は敬老の日に向け毎年公表されているこのデータも例年になく注目された。

 政府は長寿社会の教育、雇用、社会保障のあり方などを議論する「人生100年時代構想会議」を2017年9月11日に有識者を集めてスタートさせており、この点から100歳以上人口がやや注目された。

 100歳以上の高齢者数は、厚生労働省の資料によれば、1963年には153人に過ぎなかったのが、1981年には1,000人を超え、1998年には1万人を超え、2012年には5万人を、2015年には6万人、2020年には8万人、2022年には9万人を越えた。男女別では女性が87.1%と圧倒的に多くなっている。

 2018年〜19年の増加率はやや低下しているように見えたが、2000年には大きく増加した。厚労省の担当者は今年の大幅な増加について、「1920年の出生数がその前後と比べ、突出して多いことが考えられる」と分析しているという(時事通信2020.9.15)。

 各歳別の人口ピラミッドについては、図録1164参照参照。

 都道府県別の100歳以上高齢者数についてもグラフにした。

 人口10万人当たりの100歳以上高齢者数をみると、東日本より西日本で多くなっている。上位3県は、上から、島根県、高知県、鳥取県の順である。

 2009年度までは沖縄県が1位であったが、その後、以下のように低下してきている。

2009年度 1位
2010年度 2位
2011年度 3位
2012年度 5位
2013年度 8位
2014年度 11位
2015年度 15位
2016年度 15位
  2017年度 10位
2018年度 11位
2019年度 13位
2020年度 19位
2021年度 24位
2022年度 25位
2023年度 28位
2024年度 32位

 他方、最もこの比率が低い最下位は、埼玉県である。埼玉県の場合は、この間、一貫して最下位にある。

 100歳以上の人を英語ではcentenarianと呼ぶが、世界で100歳以上の人数が最も多いのは、日本でなく米国である。もちろん、人口当たりの比率では日本が最も多い。


(2008年9月15日収録、2010年9月27日更新、2011年9月15日更新、2012年9月14日更新、2013年9月13日更新、2014年9月13日更新、2015年9月12日更新、2016年4月24日世界との比較、2016年9月13日更新、2017年9月16日更新、2018年9月14日更新、11月2日図年次修正、コメント補訂、2019年9月14日更新、2020年9月15日更新、2021年9月14日更新、2022年9月16日更新、2024年9月17日更新)  


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