人口推移の対比 19世紀には、西欧主要5カ国計の人口は米国の3倍と圧倒的だったが、20世紀には米国が西欧を急速にキャッチアップし、1990年頃には逆転するに至った。人口規模的に、西欧主要国は束になっても米国に敵わなくなったのである。同じ資料による西欧主要国(5カ国プラススペイン、オランダ)の人口推移は図録9013参照。 ・ロシアと米国 1917年のロシア革命の頃まではロシアは人口規模的には米国を凌駕、ないし米国と互角であった。1920年代以降は、米国がロシアをはるかに凌駕して人口が伸び、今では、米国がロシアの3倍になろうとしている。 ・日本と米国 1967年の明治維新の少し前までは、日本が米国を人口的に凌駕していた。太平洋戦争の頃にも米国の人口は日本の2倍はなかった。その後も、大きく差が広がり、今や、米国は日本の3倍に近づきつつある。 ・ロシアと日本 案外、人口規模も人口の推移も似ているのは、日本とロシアである。ロシアは19世紀前半は日本とほぼ同じ人口規模であったが、1914年の日露戦争頃には1.5倍程度となっていた。ソ連崩壊後の混乱でロシアの人口は落ち込み、最近では、再度、日本と同等の人口規模となっている。ロシアの人口推移上の一大特徴は、革命や戦争や体制移行で大きく人口が変動、ジグザグ・コースをたどっている点にある。これに対して、日本は大きなうねりはあるものの比較的安定して人口が推移しているのが分かる。この点は日本とロシアの人口ピラミッドを比較してもうかがえる(図録8980)。 ・日米と新興国 案外と人口の伸びが著しいことで似ているのは、インドネシア、ブラジルといった新興国と米国である。インドネシアとブラジルは20世紀の後半にロシアや日本を人口規模的に抜き去った。タイの場合は、インドネシアやブラジルより、むしろ、日本の縮小版のような人口の推移となっているのが目立っている。 (2015年1月12日収録)
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