この統計は、所得の75%をこえる部分が自家農業によっていれば専業農家型(Farm oriented)、賃金(農業労働、あるいは非農業労働)または非農業自営業によっていれば、雇われ・自営型(Labor oriented)、出稼ぎ等の仕送り・所得移転に依拠していれば出稼ぎ型(Migration oriented)と分類し、いずれも75%を越えていなければ混合型(Diversified)としている。 そして専業農家型をさらに、農産物のうち販売向けが半分を超えれば販売農家(Market oriented)、半分以上が自給向けの場合は自給農家(Subsistence oriented)としている。 これによれば、農業が主産業とされる途上国農村部であっても、専業農家型の世帯は必ずしも多くない。専業農家型の世帯が半数を超えているのは、対象となった途上国15カ国のうちナイジェリア、マダガスカル、ガーナというアフリカ3カ国のみである。 自家農業以外の働き場・生計手段として、雇われの農業労働、非農業労働、あるいは自営業(農業以外)があるが、こうした「雇われ・自営型」が3〜5割のシェアを占める場合が多い。また、いずれの生計手段も75%以下である「混合型」の世帯も同じく多い。この他、この2分類以外では、出稼ぎ型が国によってはかなり多くなっている。ブルガリアでは出稼ぎ型が37%と多く、インドネシアでも12%、アルバニアでも10%を占めている。 なお、雇われ・自営型に属する農村世帯をさらに内訳を見てみると、下図のようになっている。 大農場制(アシエンダ制)に特徴のある中南米諸国(ニカラグア、グアテマラ、パナマ、エクアドル)では、農業労働者世帯が十数パーセントを占める場合が多い。非農業労働(雇われ)の中には、製造業の他、建設、サービスなど幅広い業種が含まれるが、パキスタンやパナマでは20%前後の割合を占めている。この他、ガーナ、ベトナム、インドネシアなどでは非農業の自営業世帯が多い。 調査対象となっているのは、アフリカ、中南米、アジアにわたる途上国15カ国、具体的には、農業国的色彩の強い順に、ナイジェリア、マダガスカル、ガーナ、マラウイ、ネパール、ニカラグア、ベトナム、パキスタン、アルバニア、インドネシア、グアテマラ、バングラデシュ、パナマ、エクアドル、ブルガリアである。 (2008年2月1日収録)
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