2000年代までの50年間の最大のODA供与先は貨幣価値の変化も考えるとインドネシアといってよい。1980年代までは首位を継続していた。 1960s-2000sのODA額
中国は、1972年の日中共同声明による国交回復、1978年の日中平和友好条約の発効を経て、1980年代には第2位、1990年代には第1位、そして2000年代には再度第2位となっている。2000年代までだと単純な累積額からは対中国のODA額が1位である。 韓国に対しては、1960年代第3位、1970年代第2位と大きなODA供与先であったが、高い経済成長の結果、1980年代以降は大きく縮小し、現在はODAの卒業国となっている。 この他、日本のODA供与先として大きな実績があるのは、フィリピン、タイ、マレーシア、ベトナム、ミャンマー、パキスタン、インド、バングラデシュ、スリランカといった東南アジア、南アジア諸国である。 2010年代にはインドが第1位に浮上している。日本外交が中国への対抗からインドに力を入れるようになったことがうかがえる。 ベトナムは2000年代に中国に次ぐ第3位、2010年代にはインドに次ぐ第2位と日本のODA供与対象国として目立った地位を占めるに至っている。 アジア諸国以外では、エジプト、ブラジル、ペルー、タンザニア、ナイジェリアといった諸国が年代によって10位以内に顔を出す程度である。 ただし、2000年代のトップはイラクであり、特異な位置を占めている。2003年3月にはじまったイラク戦争において米英軍を中心とする占領統治の下での日本の国際協力がこうした形を取ったといえる。 なお、図録0960に、ローンのグロスの供与額と元利償還額との対比から、卒業国である韓国、卒業間近の中国、就学中のインドネシアの対比を示したので参照されたい。 (2005年5月27日収録、2012年9月21日更新、2023年3月18日更新)
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