「まぐろが食卓から消える」というような表題で、新聞・テレビでまぐろや水産物の価格上昇が報じられるようになった。世界的な需要増大と資源量の制約が背景にあるが、特に、中国、欧州などの魚食ブームによる海外市場との価格競争、燃油高騰による国内遠洋漁業船の廃業、国際的な資源管理のもとの台湾マグロ船の減船などが影響しているとされる。

 特に新聞報道は、2006年10月のみなみまぐろ保存委員会第13回年次会合(宮崎市)での日本のみなみまぐろ漁獲枠半減、さらに同年11月の大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)第15回会合(クロアチア)でのクロマグロの総漁獲枠の2割削減(各国枠は未決定)で加速した。

 水産物の卸売価格の月次動向をみると、確かに、最近、価格上昇の傾向が見られる。

 水産物計の価格は、値段が決まって上昇する正月前の各年の年末12月を除くと、2006年7月には、キロ819円と2003年以降、最高の価格となりその後も高値傾向が続いている。最近の対前年同月増減率は7〜8%となっている。

 冷凍まぐろ(本マグロ、みなみまぐろ、クロマグロ。きはだ、めばち、びんながを除く)は、水産物計より価格上昇の動きが顕著であり、2002年末にはキロ2,200〜2,300円だった価格が、最近は3,000円に迫る動きを示している。

(2006年10月13日収録、11/28・12/20更新、2007年10月19日更新:消費地水産物流通統計が2006年12月までで公表されなくなったので、別の月別価格統計に変更する必要がある)


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