遺伝子組み換え作物に世界における生産状況をグラフにした。

 遺伝子組み換え作物の生産は拡大を続けている。当初、リードした米国に代わってブラジル、アルゼンチン、インドなどで急増しているのが最近の特徴である。耕地面積に対する遺伝子組み換え作物の面積比率については、アルゼンチンやパラグアイは65%と米国の39%をすでに超えている。

 データ源の OECD(2013), OECD Compendium of Agri-environmental Indicators は次のように述べている。

「OECDにおける遺伝子組み換え作物の播種面積は、可耕地(永年作物を含む)の18%となっている。

 米国がOECDの遺伝子組み換え作物の商業生産をリードしている。ヨーロッパのOECD諸国、及び韓国では、こうした作物の商業利用が認められていない(播種は実験目的の小面積のみ可)。

 OECDの遺伝子組み換え作物はカナダと米国で1990年代半ばから急速に成長したが、これは除草剤耐性作物(大豆、トウモロコシ、キャノーラ、綿花)が中心だった。

 世界で栽培されている遺伝子組み換え作物のうちOECDは半数をやや上回っているが、アルゼンチン、ブラジル、中国、インドといった諸国が最近10年間に遺伝子組み換え作物の利用を大きく拡大してきている。

 遺伝子組み換え作物については、利用のメリットに対し、人間の健康に対する安全性とともに、潜在的な環境コストについての議論や論争が続いている。例えば、メキシコのトウモロコシのケースのように、在来種や野生種との遺伝子混交の可能性に対する関心・懸念が高まっている(OECD,2005)。メキシコは「バビロフ」センターとして理解されている。すなわち、トウモロコシなので、最初に作物の栽培植物化が起こり、数千年にわたって進化させられてきた土地と見なされている(OECD,2008)。同時に、遺伝子組み換え作物は、例えば、殺虫剤使用を減らし、あるいは節水作物の特徴を与えるということからメリットがあると見ている研究者もいる。」

(2013年8月2日収録)


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