都道府県毎にどんな農産物が主要な品目となっているかを示した地図を掲げた。

　米の産出額が１位の地域は34県にのぼるが、ここではそのうち主要米作県として、米の割合が50％を越える6県のみを表示した。例えば、山形は米作県であるが、米の割合が39.8％と50％を切っているので、10.3％のシェアをもつ第２位のおうとう（桜桃）を主要農作物として表示した。

　主要米作県は、東北の日本海側、北陸の諸県、及び滋賀である。

　北海道や北関東の栃木、群馬では生乳が首位品目となっている。

　その他、畜産の品目が首位となっているのは、岩手、徳島のブロイラー、茨城、千葉の豚、宮城、福島、島根、及び福岡を除く九州の肉用牛、岐阜、三重、香川、兵庫及び山陽地方の鶏卵である。

　青森と長野はりんごが特色となっている。その他、果物が首位の地域は、山形のおうとう、山梨と大阪のぶどう、奈良のかき、鳥取の日本なし、和歌山、愛媛のみかんである。

　野菜の品目が１位であるのは、関東における埼玉のねぎ、東京のこまつな、神奈川のキャベツ、そして高知のなす、福岡のいちご（生産統計でなく市場統計ではいちごは果物）である。

　その他では、お茶どころ、静岡と京都の茶（生葉）、愛知のきく、沖縄のさとうきびがあげられる。

　産出額１位の品目といっても必ずしも所得源としても１位とは限らない点には注意が必要である。

　農業所得率（売上げのうち手元に残る分の割合）は品目によって2割〜4割程度と幅があるが、米や畜産は2割程度と低くなっている。畜産の中でもエサ代の割合の高いブロイラーや鶏卵では1割以下であり、特に鶏卵は低い（2004年農業経営統計調査によると採卵養鶏の農業所得率は4.8％）。従って、鶏卵の産出額が１位であるとしても所得としては他品目の何分の１かになっているので注意しておく必要がある。残念ながら所得源として１位の品目が何かが分かる統計はない。