地域 |
名称 |
コメント |
岩手 |
安家地大根 |
岩泉町の中でも山深い安家地区で先祖代々伝えられてきた。貯蔵性も高いため、長く厳しい冬を乗り越える「命の糧」として凍み大根にしたりして重宝されてきた |
秋田 |
松館しぼり
大根 |
鹿角市八幡平の松館地区で古くから栽培されている地大根。日本一辛いともいわれる。根そのものを食べるというよりはすりおろした大根からとれる「しぼり汁」だけをそばの薬味にすることが多い |
秋田 |
いぶりがっこ |
【加工品】内陸南部地方に伝わる漬物で、大根を囲炉裏の天井につるして、その熱とナラの木などの煙でいぶし上げる。甘い香りとバリバリとした食感が楽しめる。「がっこ」は秋田の方言で「漬物」を意味する |
東京 |
練馬大根 |
練馬地方で江戸時代から栽培されてきた。青首大根と比較すると長く、大きい。肉質が緻密で、たくわんなどに使われる |
東京 |
亀戸大根 |
江戸時代から大正時代まで江東区の亀戸周辺で多く栽培されてきた。小ぶりで、先がくさび形にとがっているのが特徴。白くてきめ細かな肌から「お多福大根」と呼ばれる。現在は葛飾区で少量生産されている |
東京 |
大蔵大根 |
円筒形で大ぶりの大根。かつては世田谷区内一帯で栽培されてきた。1970年代後半に青首大根が普及して以降、衰退したが、地場野菜の見直しの動きとともに復活した |
東京・
浅草 |
大根まつり |
【祭礼・供え物】(待乳山聖天)大根は清浄、淡白な味わいの食べ物で、体内の毒素を中和して消化を助ける働きがあるため、聖天さまの供養に欠かせない供物とされている。大根まつりは元日からご本尊にお供えしていた大根を毎年1月7日に風呂吹き大根にして参拝者にふるまうものだ |
神奈川 |
三浦大根 |
三浦半島の特産で中央部が膨らんだ大型の大根。練馬大根を改良したもので、現在は正月のなます用に出荷されることが多い |
石川 |
源助大根 |
太くずんぐりした形の大根で、金沢の伝統野菜。煮崩れしにくく、味がしみこみやすいため、おでんに最適 |
長野 |
うえだみどり
大根 |
真田の郷として知られる上田市で栽培。外観だけでなく、中までしっかり緑色になっている。スティックサラダにしたり、たくあん漬けにしてもおいしい |
長野 |
親田辛味大根 |
下條村親田地区で栽培されるカブ形の地大根。辛味成分を青首大根の4倍近く含んでいるため、主におろし大根に使われる |
愛知・
岐阜 |
守口大根 |
長さは1メートル20センチ以上に及ぶ細長い大根。2013年には「世界最長の大根」としてギネス世界記録に認定された。愛知県扶桑町、岐阜市で栽培されている。漬け物用 |
愛知 |
宮重大根 |
青首大根の元祖といわれる。昭和20年代以降、連作障害などで一時期消失したとされるが、平成に入り、種子保存会が発足。現在は昔の宮重大根に近い大根が復活している |
愛知 |
方領大根 |
あま市方領地内(甚目寺地区)が原産とされる白首大根。江戸時代に尾張大根として全国的に有名になり、練馬大根のもととなった |
愛知 |
守口漬 |
【加工品】塩漬けした守口大根を使い、酒粕とみりん粕を使ってじっくりと熟成させてつくる。琥珀色で独特の芳醇な香りとしっかりとした歯ごたえがある |
愛知・
西尾市 |
てんてこ祭り |
【祭礼・供え物】(熱池八幡社)平安時代に始まる、五穀豊穣を願う祭り。毎年1月3日に行われる。赤装束の厄男たちが腰に男性のシンボルをかたどった大根をさげ、「てんてこ、てんてこ」という太鼓のお囃子(はやし)に合わせて腰をふりながら町内を練り歩く奇祭。県指定無形民俗文化財 |
京都 |
聖護院大根 |
人の頭ほどもある丸くて大きな大根。肉質がきめ細やかで、肉崩れも少ない甘い大根。おでんなどに使われる |
京都 |
大根焚き |
【祭礼・供え物】(千本釈迦堂(大報恩寺)ほか)諸病よけに良いと信じられた大根をいただく京都の冬の風物詩。鎌倉時代に大報恩寺の三世慈禅上人が大根の切り口に梵字を書いて魔よけとしたのが始まりとされる。現在も梵字を書き、加持祈祷された厄落としの大根を使い、大鍋で炊きあげる |
宮崎 |
糸巻き大根 |
西米良村の山の斜面を焼き、種を植え付ける焼き畑農法で栽培される伝統野菜。大根に糸が巻き付いたように幾重にも筋が入っているのが特徴。ふつうの大根より甘みが強い |
鹿児島 |
桜島大根 |
通常は10キロだが、大きい物になると20〜30キロほどになる。ギネス世界記録で「世界一重たい大根」に認定されている |
沖縄 |
島大根 |
沖縄の在来種で、丸々としたとっくり形のものが多い。重さは3〜5キロある大型で、年越しや正月の肉汁の具に昆布などと使われる |
各地 |
二十日大根 |
小さくて赤く丸い大根。ラディッシュとも呼ばれる。発芽から収穫までの期間が20日程度ということで名前がついたといわれるが、実際は1カ月ほどかかる |
各地 |
貝割れ大根 |
大根の発芽直後の双葉で、貝が割れているように見えることから名前がついた。1970年代まで砂地で栽培し、一束ごと出荷される高級食材だった |
(資料)東京新聞大図解「大根と日本人」2017年1月22日 |