食料自給率の低下を「品目別自給率の低下」と「食料供給カロリーの品目構成の変化」の両面から分かりやすく表示する図として、いつの頃からか、毎年、農業白書(食料・農業・農村白書)に掲載されるようになったものをここで図録として掲げる。

 従来(1965年度)と最近(2007年度)に関して、縦方向に品目別の供給カロリー構成比が示され、横方向に、各品目の自給か輸入かが示されている。全体に占めるピンクの部分の割合が自給率であり、白い部分の割合が輸入率である。

 畜産は精肉等の自給はピンク薄グリーンの部分を足した部分であるが、薄グリーンの部分は輸入飼料による生産部分であり、全体のカロリー自給率の計算ではグレーの部分は白の部分とみなされる。

 自給率が低下しているのは、すなわちピンクの部分の割合が小さくなっているのは、魚介類や小麦、油脂、畜産物の自給率が低下しているためもあるが、それ以上に、自給率の高い米の消費割合が減り、代わって自給率の低い油脂や畜産物のカロリー供給割合が増えているためだということが一目瞭然である。

 もし和食回帰が生じて、米の消費割合が増加すれば、それだけでも自給率は上昇することが分かる。そこで国は国民の健康づくりと自給率アップを合わせて追求するため米飯給食の普及や油脂摂取の抑制、そして食育に力を入れているのである。

(2009年5月27日収録)


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