主要国の中には、農産物をもっぱら輸入している国、農産物をもっぱら輸出している国、そして輸出入がともに多い国(ともに少ない国)に分かれる。 農産物をもっぱら輸入している国としては、日本、ロシア、韓国、スウェーデンなどがあげられるが、日本はその中でも純輸入額(輸入超過額)が最も大きい点で目立っている。 欧米では輸出入がともに多い国が多い。米国の場合、輸出入ともに世界最大規模となっているのが目立つ。英国、ドイツ、イタリア、スペイン、フランス、オランダといった欧州諸国は、EU圏として経済の相互依存度が高まっており、農産物についても輸出入ともに多い。その中では、輸入超過が目立つ国として英国、輸出超過が目立つ国としてオランダをあげることができる。 人口大国中国は人口規模の割には農産物の輸出入規模が必ずしも大きいとは言えないが、輸入超過の規模は日本に次いでいる。同じく人口大国のインドは中国よりも農産物の輸出入規模は小さい(やや輸出超過)。インドネシアも人口規模の割には農産物貿易規模はそれほど大きくない(かなり輸出超過)。 タイやオーストラリア、アルゼンチン、ブラジルなどは農産物輸出国として目立っている。 なお、主要国の農水産物輸入額の対世界シェアを品目別にあらわしたグラフを図録0315に掲げた。 以上は世界市場における影響度を示す実額規模で分析した。次ぎに各国経済におけるウエイトを見るため、第2図に農産物の輸出入額及び輸出入額超過額の対GDP比を示した。 国の並び順は実額と同じにしているが、ずいぶんと様相が異なることが分かる。 まず、実額では目立っていた日本や米国は経済規模と比べると農産物の輸出入規模はそれほど大きくない。 日本の農産物輸入超過額は世界最大であるが、同額の対GDP比1.10%は、英国、ロシア、韓国、スウェーデンより小さいことが分かる。 農産物の輸出超過額の対GDP比が最も高いのは、アルゼンチンであり、これにオランダ、タイ、インドネシア、ブラジルと続いている。これらの国の農産物輸出国的性格の強さをあらわしている。 (2009年6月8日収録、6月15日対GDP比追加、2011年2月28日更新)
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