社会実情データとして取り上げる価値は薄くても、「笑えるデータ」として興味深いものをシリーズで掲載することにした。

 パリに本社を構える世界的なマーケティング・リサーチ会社であるイプソス(Ipsos)社は教育に関する調査で、学校に通っているときの学業成績が「平均以上」だったか、「平均以下」だったかを聞いている。こんなことを聞いてどうするというような設問だが、結果は非常に興味深い。

 日本語に訳す手間に見合うメリットもなかろうと原文のまま掲載している。

 学校時代の学業成績は平均以上だっと人間と平均以下だった人間は原理的に半々のはずである。ところが、原理通りの回答になっているのは日本だけである(30%対31%)。

 多くの国では「平均以上だった」という答えが多数を占めている。インドネシアの回答では、「平均以上」が74%、「平均以下」が1%と極端な結果となっている。インドネシアほどではないが、日本以外の国では、平均以下が平均以上を大きく上回っている。

 これには笑えた。世界の人びとは余りに自己肯定的、というか見栄っ張りなのが不思議なほどである。そして、日本人だけが正直に答えているのが、さらに印象的である。

 日本人に次いで、現実的な回答であるのは、インド人である。これまた興味深い国民性のあらわれであろう。

 なお、イプソス社の調査は途上国については、調査対象が都市部の富裕層にバイアスがかかっているとしており、そうした意味からは平均以上が多くなる傾向はあろう。それにしても、図の結果はそんなことでは説明しきれないだろう。

(2025年8月31日収録)


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