人口推移の対比 ・現在の人口規模 2010年にはドイツが約8千万人で最も多い。ドイツのうち旧東ドイツの人口は統合後に1割程度減少し2007年に1370万人(ベルリンを除く)とオランダより人口規模は小さくなっている。ドイツの次に、フランス、英国、イタリアがだいたい6千万人前後で同等の人口規模となっている。スペインがこれに次ぐ4.5千万人の人口規模を有する。オランダは2千万人以下、スウェーデンは約1千万人と人口規模的には小国である。 ・フランスとドイツ フランスは、19世紀前半にはなお西欧で人口が最も多かった。このことから、フランス革命とその後しばらくは、国民国家の形成や近代思想の先進性に加えて、人口規模的にも、ヨーロッパの超大国だったことがうかがえる。しかし、19世紀半ばにはフランスの人口動向は横ばい傾向となり、ドイツと人口規模が大逆転となった。その結果、一次、二次の世界大戦の当時は、ドイツがフランスより2〜3千万人人口が多かったのである。これが敗戦の一つの大きな要因と見たフランスは、第二次世界大戦後、出生促進的な人口政策を推し進めた結果、大きな人口増の傾向を示し、ドイツにやや近づいた(フランスの過去の人口動向を人口ピラミッドから追っている図録8930参照)。 ・英国、フランス、イタリア この3カ国は20世紀以降、人口規模的にほぼ同等となっている。19世紀半ばにはフランスの人口動向は横ばい傾向となったため、フランスの人口は1890年代には英国に抜かれ、1920年代にイタリアに抜かれた。しかし、上に述べた人口促進政策で1980年代には、再度、英国やイタリアを凌駕している。 ・指数による比較 1820年を100とする指数で各国の人口動向を比較すると、下図のように、@1910年以降のオランダの特段に大きな伸び、Aフランスの1940年までの人口停滞、そして、Bオランダ、フランスを除く各国の人口動向の類似性、などが目立っている。1820年から2010年の約200年間で、オランダは7倍、フランスは2倍、そしてその他の国は3〜4倍の人口増となっている。 (2015年1月13日収録)
[ 本図録と関連するコンテンツ ] |
|