歴代総理大臣の出身県(図録5237)にならって、歴代横綱の出身地(海外を含む)の図録を作成した。原資料は日本相撲協会の歴代横綱一覧表である。

 横綱輩出人数の最も多い地域は北海道の8人であり、青森県の6人、モンゴルの5人、そして宮城、茨城、千葉、東京、鹿児島の各都県の4人が続いている。横綱なしは16府県にのぼっている。

 総理大臣出身県と比較すると、総理大臣は山口県の8人、東京都の5人と地域は異なるが多さの順位は似ている。総理大臣を輩出していない県は19県にのぼっており、横綱未輩出地域よりやや多い。

 歴代総理の人数は64人であるに対して、歴代横綱は73人となっており、出身地域の分布とともに、ほぼ同等のパターンを示している点が興味深い。なお、歴代横綱73人のうち、戦前に横綱に昇進したのは38人であり、戦後の35人をやや上回っている。

 初代の明石志賀之助は、下野国宇都宮(現栃木県宇都宮市)出身と考えてられている。確証はないが、江戸時代前期において実在していた人物とされ、日本相撲協会が初代横綱に認定している。従来の力業だけでなく相撲の技に関しても多く研究し、現在でも基本とされている四十八手の技を考案した人物とも言われている(ウィキペディアより)。

 第12代陣幕(島根出身)までは江戸時代の横綱であり、明治以降の歴代横綱は61人となり総理大臣より少ない。横綱は総理大臣よりなるのが難しい地位とも言える。

 歴代横綱出身地の地域分布については、北海道、青森、宮城、茨城、千葉、東京といった東日本で多くなっており、東高西低の傾向が認められるが、北海道、青森、東京の出身横綱はすべて戦後の横綱であり、東高西低の傾向は戦後に顕著になったとも言える。

 最近の傾向は米国ハワイ州終身及びモンゴル出身の外国人横綱の増加であることは誰の目にも明らかである。第64代の曙が1993(平成5)年3月に横綱となってから第73代の照ノ富士まで10人の横綱が誕生したが、そのうち外国人以外は、貴乃花、若乃花、稀勢の里の3人にすぎない。

 相撲取りは何か霊的慰安をもたらす存在であるせいか、大きな自然災害による苦難の中では被災地が生んだ名横綱を思い起こしたくなるようだ。2024年1月1日に発生した能登半島地震でも能登出身の横綱の事績が紹介された。

「相撲の盛んな石川県が生んだ力士と言えば、第54代横綱輪島を思い浮かべる人もいよう。能登半島の七尾市出身で、第55代横綱北の湖と競って昭和に一時代を築いた。さらにさかのぼって江戸時代には、第6代横綱の阿武松緑之助(おうのまつみどりのすけ)がいた。奥能登の能登町の貧しい家に生まれ、江戸のこんにゃく屋に奉公していたが、体に恵まれ、人の勧めで角界入り。出世は、農民の子から天下人になった豊臣秀吉に比せられた。人柄は温厚で偉ぶるところもなく、江戸っ子の人気者になったという。大食漢ぶりをネタにした落語『阿武松』も生まれている(小島貞二著『大相撲名力士100選』)。能登半島地震が起きてから10日余。大相撲初場所があす、初日を迎える。被害の大きい穴水町出身の幕内の遠藤は祖父らの無事を確認したが、実家の近くまで津波が迫ったといい「いつものように元気な相撲を取って(人々を)勇気づけられるのであれば」と語る」(東京新聞「筆洗」2024.1.13)。

 そうでなくとも過去に輩出した横綱は郷土の誇りとなっている場合が多い。富山県の例を以下に掲げる。富山県出身の朝乃山が大関昇進した際に開催された展示会のポスターである。なお、ここで太刀持ち役を務めている黒瀬川は私の祖父の若かりし頃である。


 図に登場している歴代横綱を代位順に掲げると次の通りである。(初)明石、(2)綾川、(3)丸山、(4)谷風、(5)小野川、(6)阿武松、(7)稲妻、(8)不知火、(9)秀の山、(10)雲龍、(11)不知火、(12)陣幕、(13)鬼面山、(14)境川、(15)梅ケ谷、(16)西ノ海、(17)小錦、(18)大砲、(19)常陸山、(20)梅ケ谷、(21)若島、(22)太刀山、(23)大木戸、(24)鳳、(25)西ノ海、(26)大錦、(27)栃木山、(28)大錦、(29)宮城山、(30)西ノ海、(31)常ノ花、(32)玉錦、(33)武蔵山、(34)男女ノ川、(35)双葉山、(36)羽黒山、(37)安藝ノ海、(38)照國、(39)前田山、(40)東富士、(41)千代の山、(42)鏡里、(43)吉葉山、(44)栃錦、(45)若乃花、(46)朝潮、(47)柏戸、(48)大鵬、(49)栃ノ海、(50)佐田の山、(51)玉の海、(52)北の富士、(53)琴櫻、(54)輪島、(55)北の湖、(56)若乃花、(57)三重ノ海、(58)千代の富士、(59)隆の里、(60)双羽黒、(61)北勝海、(62)大乃国、(63)旭富士、(64)曙、(65)貴乃花、(66)若乃花、(67)武蔵丸、(68)朝青龍、(69)白鵬、(70)日馬富士、(71)鶴竜、(72)稀勢の里、(73)照ノ富士

(2023年9月14日収録、2024年1月13日能登出身横綱、初出も最新横綱出身地のモンゴルから石川県に変更)


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