世界の小火器は全部で10億1300万丁あると推計されるが、そのうち85%に当たる8億6千万丁は民間が保有している。
各国別に見ると米国の民間保有数が3億9千万丁と圧倒的に多く、人口比でも10人に12丁という高い保有比率になっている。まことに米国の銃社会ぶりを象徴するデータといえよう。 小火器保有数総数で米国に次いで多いのは、インド、中国、パキスタン、ロシア、ブラジルなどである。 人口当たりの保有数では、米国に次いで、イエメン、セルビア、カナダ、フィンランドなどが高い保有率となっている。 ちなみに、日本の保有数は37.7万丁、人口100人当たりでは0.3丁と非常に少ない。 アジア諸国の中ではタイの人口当たりの保有率が最も高くなっている。タイでは、簡単に取得できるライセンスさえあれば、誰でも銃を買うことができる。バンコク郊外のガンショップ経営者によれば、最新の銃を持つのが警察官のステータスだという。また「銃を持つには許可証が必要で、許可証一枚につき1丁しか所持できません。ところが銃砲店の中には一枚の許可証で何丁も警察官に売っている店がある。使わない銃を転売し、儲けている警官がいるとも聞きます」とも話している(Friday Digital「【現地レポート】銃の所持率は東南アジアでトップ ″微笑みの国″タイが抱える「銃社会」という病巣」 2023.12.16)。 下表のように米国で銃の乱射事件がしばしば起こるのも米国の銃社会という背景によるものである。
米国人の銃保有率の推移と属性別の値は図録8811d参照。米国では地域ごとに銃保有率が大きく異なっている。また、銃保有率の高い地域ほど自殺率も高くなっている。こうした点については図録8811参照。米国の高校生の武器携行率については図録8810参照。 図には保有数上位50カ国のデータを掲げているが、人口当たりの高い国の順番に対象国は以下の国々である。米国、イエメン、セルビア、カナダ、フィンランド、レバノン、オーストリア、ノルウェー、スイス、スウェーデン、パキスタン、ポルトガル、ドイツ、フランス、イラク、ヨルダン、ベネズエラ、ギリシャ、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、トルコ、タイ、オーストラリア、イタリア、メキシコ、ベルギー、アフガニスタン、ロシア、チリ、グアテマラ、アンゴラ、コロンビア、ウクライナ、南アフリカ、ブラジル、シリア、ガーナ、スペイン、アルゼンチン、イラン、スーダン、インド、モロッコ、英国、モザンビーク、エジプト、中国、フィリピン、ナイジェリア、ベトナム。 (2007年9月14日収録、2015年2月11日米国の州別の銃保有率と自殺率との相関図掲載、2016年米国の主の銃撃事件年表、2017年10月3日年表更新、2018年4月20日フロリダ高校事件年表追加、米国の州ごとの銃保有率及び自殺率との相関について図録8811として分離独立、5月20日・10月29日銃撃事件表更新、2019年8月4日・2022年11月30日銃撃事件表更新、2023年12月16日更新、タイ事情)
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