各国の留学生達の留学先は、母国と留学先国とのつながりの深さを示すとともに、これからの双方の国の相互関係の将来をうかがわせるものとして重要である。

 西ヨーロッパ諸国からの留学生は、西欧の圏域内が多く、また特定の国に片寄っていないのが特徴である。最も多い留学先は、ドイツは英国、フランスはベルギー、イタリアはドイツ、スペインは英国となっている。なお、西欧諸国の1つであるが英国からの留学生は図録8818に掲げたが、この場合は米国が留学先として最も多い。

 ドイツの場合、オランダの他、英国、オーストリアも1万人以上で続いており、スイスもこれに次いでいる。隣国であるのにフランスは約7千人とそれほど多くない。下記の通り、フランスからドイツへの留学も約6千人とそれほど多くない。独仏はなお相互に敷居が高い国同士なのかも知れない。

 フランスは、フランス語を話す地域が多いベルギー(フランス語人口40%−CIA Factbookによる。以下同様)が最も多く、英国がこれに続いている。これに続いて米国が多く、ドイツは米国より少ない。やはりフランス語圏があるカナダ(フランス語人口比率22%)にも約5千人とヨーロッパの中では最も多く留学生が行っている。フランス語での教育へのこだわりが感じられる。なお日本への留学は、ドイツ、イタリア、スペイン、英国といった他の西欧諸国より多く、フランス人の日本文化への評価は高いと言える。

 イタリア人の留学先としては、ドイツが最も多く、オーストリア、英国と続いている。この他、フランス、スイスなども多い。米国はこれらの国以下である。

 スペイン人の留学先としては、英国が最も多く、ドイツ、フランス、米国と続いている。

 留学生の人数のランキングは図録6138にかかげたが、各国出身留学生の留学先については、主要国について以下のような図録を作成した。

図録8022 中国、インド、韓国、日本
図録8910 (当図録)西欧(ドイツ、フランス、イタリア、スペイン)
図録8818 米英・英語圏(米国、英国、カナダ、オーストラリア)
図録8024 アジア(マレーシア、ベトナム、インドネシア、タイ、
香港、フィリピン、バングラデシュ、パキスタン)
図録9422 アフリカ(モロッコ、アルジェリア、ナイジェリア、コンゴ民主共和国)
図録9260 中近東(トルコ、イラン、サウジアラビア、シリア)
図録9320 北アフリカ(エジプト、リビア、チュニジア)
図録8977 ロシア・東欧(ロシア、ポーランド、スロバキア、ウクライナ)
図録8822 ラテンアメリカ(メキシコ、ブラジル、ペルー、アルゼンチン)

(2009年10月19日収録)


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