日本企業のアジア進出の対象国は、従来は、労働力が豊富で賃金が安い中国が中心であったが、中国では、長く続いた経済発展とともに賃金も上昇したため、むしろ、賃金が相対的に安価なベトナム、ミャンマー、バングラデシュなどへ進出先がシフトしているといわれる。

 そこで、アジア新興国の賃金水準を比較したデータを掲げ、こうした状況が見られるかを検討してみよう。

 2001年と2011年のワーカー(一般工)の賃金を見ると、まず、アジア全体で、賃金水準がドル表示で上昇している様子がうかがえる。アジアの経済発展がいかに著しいかをあらわしているといえよう。

 次に都市別の状況を見ると、確かに、中国の各都市では水準が大きく上昇しており、ベトナム、ミャンマー、バングラデシュなどとの差が大きくなっているように見える。

 また、2011年のデータを見ると、同じ国でも、地方によって賃金水準がかなり異なっている様子もうかがえる。

 この図(もっとも原図は国に関わりなく都市の賃金水準の高い順の並び)を参照しながら、通商白書2013は、こう述べている。

「ワーカー(一般工職)の月額基本給を見ると、2001年度から2011 年度にかけて、北京では152 ドルから538 ドルと3.5 倍上昇、上海では235 ドルから439 ドルと1.8 倍上昇するなど、中国の沿岸部における賃金は高騰している。

 ASEAN では、クアラルンプール(マレーシア)、マニラ(フィリピン)、バンコク(タイ)等、中国の各地域(沿岸部を除く)よりも賃金が高いグループと、ハノイ(ベトナム)、プノンペン(カンボジア)、ヤンゴン(ミャンマー)等、他地域に比して賃金の低いグループに分かれる。

 インドでは、ムンバイ、バンガロール等、相対的に賃金が高い地域がある一方、アーメダバードは2011年時点で月額73 ドルと他地域に比して安く、国内の賃金格差が大きい。」

 中国の賃金水準の上昇については図録j022も参照。

(2013年11月11日収録)


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