フィリピンの人口ピラミッドは、出生率が低い日本とは対照的に、出生率の高い途上国で一般的な富士山型の典型となっている。ただし、20歳未満の5歳階級では相互の人口規模の差が縮まりつつあり、出生率が低下した影響が認められる(図録1560アジア諸国の出生率動向参照)。

 年齢別の男女比率をあらわす性比のグラフを見ると、韓国や中国とは異なり、おおむね、日本と変わらない。60歳以上の高齢層では性比が日本より低くなる傾向が認められる。フィリピンでは高齢男性は女性と比べて生き残りにくいようだ。

 フィリピンからの外国人労働者について、フィリピンのGDPの約1割を稼ぎ出しており(図録8100参照)、また、日本では、飲食業、マレーシアでは家事サービスが多く(図録8160参照)、フィリピンでは看護婦等の出稼ぎが多いことが知られているので、若い女性がフィリピン国内では少ないのではないかという仮説でこのグラフを描いたのであるが、事実は、余り変わらないという結果であった。実は、フィリピン人の海外出稼ぎの第1位は米国であり、第2位はサウジアラビアである(図録8150参照)。サウジアラビアの出稼ぎの職場としては男性職場が多い(図録9310参照)。こうした点も考慮すると、やはり、全体では、海外出稼ぎ者は男性が多いのではないかと思われる。

(2007年1月23日収録、2015年4月6日更新、2019年6月11日更新、2023年1月21日更新)



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