家計支出から食生活が見える 〜地域別・家計支出の上位品目〜
 (順位の表示のないものは消費額1位)
都市名 全国トップ食品 特徴、備考
札幌市 サケ、他の生鮮肉、ビール 「ジンギスカン」でビール。@。図録7763参照(各種酒)
青森市 ほたて貝、他の塩干魚類、ウイスキー、カップ麺、イカ(2位)、ソーセージ、やきとり、炭酸飲料 図録7763参照(各種酒)
盛岡市 中華麺、サンマ、リンゴ、ワカメ、豆腐(2位) F
仙台市 かまぼこ、サンマ(2位)、ワカメ(2位) 図録7763参照(かまぼこ)
秋田市 ホウレンソウ、大根漬、乾うどん・そば(2位)  
山形市 サトイモ、こんにゃく、他の果物、中華そば(外食)、醤油 郷土料理「芋煮」の材料。図録7740参照(醤油)、H
福島市 納豆、桃、中華そば(外食)(2位) ひそかに納豆消費首位。D
水戸市 メロン、納豆(2位)、ヨーグルト(2位)  
宇都宮市 イチゴ、すし(外食)、ギョウザ(調理済み)(2位)、せんべい、ビスケット 図録7750参照(ギョウザ)、図録7762(すし外食)。A
前橋市 グレープフルーツ、弁当、乳酸菌飲料(2位)  
さいたま市 スパゲッティ、ドレッシング(2位)、焼き鳥(調理済み)(3位)  
千葉市 乾物・海藻、干しのり、スイカ(3位)  
東京区部 チーズ、おにぎり・その他、ワイン、サラダ(2位)、ブロッコリー、カボチャ、トマト ワインとチーズとサラダ。図録7763参照(各種酒)
横浜市 豚肉、レタス、シューマイ(調理済み)、チーズ(2位)、バター(2位) シューマイがソウルフード
川崎市 大根、キウイフルーツ、シューマイ(調理済み)(2位)  
相模原市 ドレッシング、ブロッコリー(2位)、カボチャ(2位)  
新潟市 さや豆、スイカ、清酒、塩サケ 図録7763(各種酒)、図録7734(塩さけ)参照
富山市 ブリ、魚介の漬物、昆布、昆布つくだ煮、もち、イカ、オレンジ 図録7806参照。C
金沢市 レンコン、他の和生菓子、ケーキ、プリン、スナック菓子、アイスクリーム、すし(外食)(2位) 意外なお菓子好き。図録7805参照。I
福井市 油揚げ・がんもどき、コロッケ(調理済み)、カツレツ(調理済み)、さといも(3位) B、C
甲府市 アサリ、ブドウ、生うどん・そば(2位)、マグロ(2位)、ヨーグルト マグロ好きな「ほうとう」の里
長野市 エノキダケ、みそ、調理パン、リンゴ(2位)、砂糖(2位) 馬肉食(@)
岐阜市 柿、和食(外食)(2位)、喫茶代(外食)(2位) 図録7760参照(喫茶店)
静岡市 マグロ、しらす干し、干しアジ、緑茶、 図録7726参照(米)
浜松市 うなぎのかば焼き、ギョーザ(調理済み) うなぎとギョーザで躍進。A
名古屋市 和食(外食)、中華食(外食)、喫茶代(外食) 外食、喫茶が大好き。図録7760参照(喫茶店)
津市 魚介のつくだ煮、エビ(3位)  
大津市 牛肉(3位)、キャンディー(3位)  
京都市 パン、牛肉、ナス、タケノコ、ハム、バター、ジャム、コーヒー、すし(弁当) 古都はパン食文化。パンと相性の良いハム・バター・ジャム・コーヒーもトップ。図録77257726参照(パン)、図録7762(すし弁当)
大阪市 白菜(2位)、他の主食的調理食品(2位)  
堺市 卵、白菜、ビール(2位) 図録7763参照(各種酒)
神戸市 食パン、タコ、紅茶 「明石焼き」の本場。図録7725参照(パン)
奈良市 小麦粉、タコ(2位) 専業主婦が多く家庭でのパン・菓子づくりがさかん(図録7420参照)
和歌山市 エビ、梅干し、ミカン ケチャップ好き(J)
鳥取市 イワシ、カレイ、カニ、梨、ちくわ、牛乳、即席麺、砂糖、マヨネーズ、カレールウ、まんじゅう、スナック菓子(2位)、豆腐(3位) 日本海の海の幸(E)。マヨネーズ好き(J)。正反対の即席味文化と共存?図録7745参照(カレールウ)、図録7763参照(ちくわ)
松江市 シジミ、豆類、マーガリン  
岡山市 桃(2位)、ブドウ(2位) 白桃とマスカット・オブ・アレクサンドリア
広島市 カキ(貝)、バナナ、ソース 西日本のソース好き。図録7740参照(ソース)
山口市 チョコレート、まんじゅう(2位)、アジ(2位)  
徳島市 サツマイモ、ちくわ(2位)、他のかんきつ類(4位)  
高松市 生うどん・そば、乾うどん・そば、日本そば・うどん(外食) とにかくうどん!図録7766参照。
松山市 他のかんきつ類(2位)、揚げかまぼこ(3位)、合いびき肉(3位)  
高知市 カツオ、白菜漬け、飲酒代(外食)、乳飲料、発泡酒・第3のビール 酒豪で名高い土地柄。図録7760参照(飲酒代)
北九州市 サバ、刺し身盛り合わせ、タラコ(2位)  
福岡市 タラコ、鶏肉 鶏肉は「水炊き」「筑前煮」で
佐賀市 タイ、ゴボウ、干しのり(2位)  
長崎市 アジ、ベーコン、カステラ  
熊本市 焼き肉(外食)、他の生鮮肉(2位) 他の生鮮肉とは「馬肉」。@
大分市 干しシイタケ、小麦粉(3位)  
宮崎市 キャンディー、焼酎 図録7763参照(各種酒)
鹿児島市 揚げかまぼこ、酢、焼酎(2位)、乳酸菌飲料 図録7734、図録7736参照(揚げかまぼこ)、図録7763参照(各種酒)
那覇市 かつお節・削り節、他の加工肉、魚介の缶詰、豆腐、粉ミルク、ニンジン、食用油、ハンバーグ(調理済み)、ハンバーガー(外食) かつおだしは沖縄料理の定番。図録7734参照(かつお節・削り節)。G
(注)「家計調査」2013〜15年3年分の平均(二人以上の世帯)。図録番号や青字は当図録で付け加えたもの(2位を1割以上超過している個別品目はすべて掲載)。マル数字付加コメントは下表参照
(資料)週刊ダイヤモンド(2016年3月26日号)、ダイヤモンド・オンライン同左転載(2016年5月13日)
   
付加コメント@〜E
@ 「他の生鮮肉」は札幌市のジンギスカン用の羊肉と熊本市の馬刺し用の馬肉とが毎年首位を競い合っている。熊本の馬刺しは基本的にスーパーや肉屋でサクで買ってきて家で食べるのが普通という(特に正月などハレの日)。馬肉生産の4割以上が熊本県産。「熊本城城主の加藤清正が朝鮮出兵の際、苦戦の末に兵糧が尽きてしまい、死んだ軍用馬の肉を食べたのが最初と伝えられている」(週刊ダイヤモンド)。馬刺し食習慣の起こりについては、鉄道開通以前の時代、水上輸送に向いていないため物資輸送用にもっぱら木曽駒を使っていた長野県と北九州の炭鉱で使用するウマを供給していた熊本県で他の肉が買えない都市下層民が馬肉を食べた経緯によるとする説の方がもっともらしい(石毛直道「日本の食文化史」岩波書店、2015年、p.187)。
A 宇都宮は表のランキングに含まれない冷凍食品や外食、特に外食でギョーザを食べることが多い点に注意。浜松は2007年に政令市となり、2008年から家計調査で登場し、宇都宮と1位を競い合っている
B 油揚げとコロッケは京都市と首位を争っている。福井は共働き率が高い(図録7420参照)。福井でコロッケやカツレツがよく食べられているのはそのため惣菜として買うことが多いためといわれる。油揚げは厚いが東京の厚揚げとは異なり中は白い豆腐ではなく、中まで海綿状の油揚げ。「これは曹洞宗の大本山「永平寺」に修行する僧たちの精進料理の大切なスタミナ源として発達したもの」と言われる(太田和彦「日本の居酒屋−その県民性」朝日新書、p.86)。油揚げと並んでさといもも福井のソウルフード。
C 「明治から昭和にかけて、北海道に開拓民を最も多く送り出したのは北陸3県からだという。両地の間では海上交易が盛んで、開拓地で収穫されたジャガイモなどが北陸に大量に持ち込まれた。福井に限らず北陸にコロッケ好きが多いのは、「北海道とのジャガイモ交易の影響」(福井県の外食関係者)という説もある」(週刊ダイヤモンド)。富山の昆布好きも北前船による北海道との交易に加えて北海道昆布漁業に富山県出身者が多かったためという(図録7806参照)
D 水戸納豆が有名だが、消費額では水戸と福島が競り合っている
E 江戸時代までの因幡の国、鳥取は港に恵まれず、食生活も貧しかったという。鳥取の郷土料理についてまとめたたくみ主人の浅沼喜実氏は次のようにはじめている。「貧しかった鳥取藩の藩是は、「尚武勤倹」で、藩主は領民に、「魚の代わりに豆腐を食え」と言った。そのためか、明治、大正になっても、親しい仲間の会食では湯豆腐がご馳走だった。今でも家庭料理には野菜の白あえが多いし、田舎には豆腐飯(豆腐丼)などが残っている」(「鳥取の郷土料理」週刊朝日百科「世界の食べもの」no.92、1982年9月、以下、これによる)。このため鳥取の豆腐消費金額は那覇、盛岡に次ぐ全国3位である。明治以降、それでも、徐々に海の幸は鳥取に根づいていったようである。鳥取の漁業は明治時代になってもほそぼそとした地引網が主であったが、その頃から春に磯によってくる回遊魚であるイワシも獲っていた。また初夏の味、あご(トビウオ)は「あごちくわ」に加工され名産となっている。大正時代半ばから機船底引き網がはじまり、この網で獲る松葉ガニ(山陰で水揚げされ活けで流通する雄ズワイガニのブランド)が県外客にも賞される地元の名物となった。カレイは磯魚として獲られていたが、機船底引き網でオオガレイ(アカガレイ)も漁獲されるようになり、煮魚として郷土料理のひとつの目玉となっている。日本一の生産量を誇る鳥取の二十世紀梨、地元で愛される白バラ牛乳(大山乳業農業協同組合のブランド)も加えて、イワシ、カレイ、カニ、梨、ちくわ、牛乳の6品目は、日本海の海の幸、陸の幸といってよいと思われる。
付加コメントF〜J
F 南部藩の城下町に招かれた豆腐職人が盛岡の豆腐文化を築いたと伝わる。盛岡名物となっている「寄せどうふ」は、盛岡がルーツといわれ、藩政時代から続く盛岡市民の好物となっている。豆腐が消費量全国トップになる年も多い。
G 沖縄の食文化を特徴づけているのは、本土と異なる沖縄の次の3つの歴史経緯によるものと考えれる(石毛直道「日本の食文化史」岩波書店、2015年、p.165〜173)。すなわち、(a)本土では縄文文化に次いでさかんとなった稲作を基盤とする弥生文化・ヤマト文化の影響が遅く、また薄かった。(b)14〜16世紀に日本、中国、韓国、東南アジア諸国を結ぶ十字路にあるという立地を生かした中継貿易でさかえ、江戸時代に入っても中国との貿易が行われていた。(c)戦後、米軍の統治下時代が長かった。仏教が浸透せず獣肉を食べることに抵抗がなかったためブタの肉、脂肪、内臓、血、耳、顔、足を食する文化が引き継がれているのは(a)による(もっとも食用家畜としてのブタ、ヤギ、ニワトリが導入されたのは14〜15世紀に中国との交易を通じてだとされている)。「食用油」がトップ食品であるのも油脂文化が背景にある。豆腐を多用する料理文化を有し、「豆腐」が消費額トップであるのも米からのたんぱく質摂取がままならなかったためであろう。チャンプルーは木綿豆腐とモヤシ、ニガウリなどの野菜を食用油を使って炒め合わせる沖縄の代表的な家庭料理である。次に(b)の関係であるが、「かつお節」が全国トップの消費であるのは、江戸の初期から、外国船により長崎港・平戸港を出発して南方や中国(明・清)へ輸出される鰹節の中継港であったのと、薩摩藩が領内産鰹節の中国向け輸出基地としたことによる。北海道の昆布を使った沖縄料理が多いのも江戸時代に薩摩が北海道産の昆布を中国へ輸出(密輸出)する中継地となっていたからである(図録0668参照)。さらに沖縄の泡盛は15世紀にシャムから伝わった蒸留酒製造技術によるものであり、これが南九州に伝わり焼酎が生れた。楽器について、西域の影響で生れた中国の三弦が福州から沖縄に伝わり、さらに日本全土で三味線としてブレークしたのも同様のプロセスであり、なお、沖縄で三線さんしんとして独自な形態を保っているのも泡盛と同じである。最後に(c)の関係であるが、「他の加工肉」、「粉ミルク」、「ハンバーグ(調理済み)」、「ハンバーガー(外食)」がトップであるのは、配給物資として米国から輸入されて供給された経緯によるものである。「他の加工肉」はランチョンミートやコンビーフからなっている。全国トップだった沖縄の男性の平均寿命が2000年以降急落しているのは米国の影響が本土に先立っているからという説もある(図録7252参照)。なお、「ニンジン」がトップなのは沖縄料理のにんじんしりしりが家庭でよく食べられているからだろう。
H 山形県は「ラーメン王国」として知られ、「NTTタウンページの集計によると、山形県の人口10万人あたりのラーメン店は42店(3月現在)で、全国平均(18店)の倍以上。北海道から首位の座を奪った03年以降はトップ」という(朝日新聞2016年5月17日)。山形県の中華そば店ではいろいろなラーメンが提供されている。冷しラーメン(山形市)、赤湯からみそラーメン(南陽市)、鳥中華(天童市、そば店のメニュー)、酒田ワンタンメン(酒田市)、とりもつラーメン(新庄市)、米沢ラーメン(米沢市)などである。山形県や山形市でラーメン外食が日本一である理由としては、日清食品ホールディングス広報部の担当者の推理によると「うどん文化の西よりも、東日本の方がラーメン消費が多い傾向があるうえ、地方都市は外食の選択肢が少ないからラーメン支出が高くなるのでは」ということだが(朝日新聞同上)、なぜ、山形なのかという説明には、いまひとつである。山形市の醤油の消費量が最多である点も関係していよう。
I アイスクリームについては、「菓子類の支出金額も全国1位。和菓子店が多く菓子を消費する習慣が根付いている。スーパーでアイスの値引きが多く家庭での購入も多いとされる」(東京新聞大図解「アイスクリーム」2016年8月7日)
J 2019年2月18日のフジテレビ「新説!所JAPAN」では「ケチャップVSマヨネーズ」を取り上げ、それぞれの消費量日本一の和歌山県と鳥取県で如何に県民が好んでそれらを消費しているかとその理由を探っていた。なお、自分たちが日本一それらを消費していることを知らない県民が多い点が両県で共通である。
 和歌山市はトマトケチャップ消費量1位(消費額では3位)(家計調査2015〜17年平均、以下同様)である。味噌汁など何にでもケチャップを入れる消費行動とともに、番組で紹介されているのは、レモンをそのまま食べる者もいるという酸っぱいもの好きの県民性である。ケチャップ好きもその延長線上であるとされる。なぜ、酸っぱいもの好きなのかについては、梅干し、みかんの産地であり、また醤油、なれ寿司の発祥地であるという地域条件が関係しているとされる。
 鳥取市はマヨネーズ消費量1位(消費額も1位)である。マヨラーが多い点が紹介されるとともに、その理由として取り上げられていたのは、(1)漁民がカニ、イカなど新鮮な魚介類を毎日食べるのに醤油だけでは飽きたのでマヨネーズを併用している点、(2)卵がそもそも好きである点(卵消費量1位、消費額では5位)、(3)共稼ぎが多いので手っ取り早く食べるためにマヨネーズを使う点であった。(3)については鳥取市がカレールウの消費額1位の理由ともされている(図録7745参照)。


 総務省統計局では家計調査の結果にもとづき、県庁所在市・政令市の食品品目の1世帯当たり年間購入量・購入金額について、毎年、過去3年の平均値によるランキングを公表している。金沢市や富山市などいくつかの都市については上位品目を整理したが、全都市についてのトップ品目を一覧表にすれば各地域の食生活の特徴の一端がうかがえて面白いだろうと思っていたが、手をつけていなかった。週刊ダイヤモンドが2016年3月26日号において「特集:ニッポンご当地ランキング」の一環として、その作業を行っていたので収録した。本当は、トップ品目といっても2位以下をどれだけ離しているかといった情報も付加すると余計に分かりやすいのだが、今後の課題としたい。

 各都市の食の特徴は表に記載した通りであり、それぞれ特色があり興味深い。各地の食べものについては、「県別に見る全国のご当地グルメ」というホームページが参考になるので参照されたい。

 各都市でどんな食品がトップかという点に加え、都市によってトップ食品が多い場合もあれば、少ない場合もある点にも関心が向く。トップ食品が多い都市は、それだけ、特徴的な食文化を有しているといえよう。そうした都市としては、次の6都市が目立っている。すなわち、北から、青森市、富山市、金沢市、京都市、鳥取市、那覇市である。反対にトップ品目が少ない都市は全国平均的な食文化を有するともいえる。

 食文化が特徴的である程度を確かめるため、以下に2013〜15年平均として総務省統計局が算出した個別食品203品目(金額)、124品目(数量)(生鮮魚介といった統合品目を除く)についての県庁所在市・政令市のランキングから、消費金額・数量がトップの品目数が多い地域を図示した(全都市のトップ品目数も表で掲げた)。

 購入金額では上記の都市以外に東京都区部が目立っている。購入数量では上記の都市以外に新潟市が目立っている。表を見ると明らかであるが東京都区部と京都市では金額ベースではトップ食品が多いのに数量ベースでは目立って少なくなる。これは両地域の物価水準の高さや高級食品志向が要因と思われる。東京都区部、京都市を除くトップ品目が多い特定食品偏愛地域は、縄文文化が根強いエリアとダブっており(図録7720参照)、塩分の多い食品の消費が多い地域やカレールウの消費が多い地域と分布状況が似ている(図録7758、図録7745参照)。なお、逆に金額や数量でトップ品目が少ない都市を下表でチェックしてみると、仙台市、千葉市、津市、大津市、大阪市、松山市、熊本市などが該当する。

 さらにトップ消費品目数を50年前と比較した表を最後に掲げた。これを見ると、かつて、東京都区部や横浜市、札幌市、大阪市の品目数の多さが目立っていたのが、現在では、余り目立たなくなったという変化が生じている。首都や大都市が全国の消費をリードしていた状況が今はかなり薄まったといえよう。一方、4品目以上トップ消費品目数が増えた都市を挙げると、盛岡市、宇都宮市、富山市、福井市、静岡市、京都市、鳥取市、高知市となっており、特色ある食文化を有する地域が全国に広がったといってよかろう。特に、品目増加が目立っているのは、京都市の10品目増、鳥取市の9品目増である。


トップ消費食品数
県庁所在市
・政令市
金額
1位
金額
1〜
2位
数量
1位
数量
1〜
2位
札幌市 3 11 3 7
青森市 8 14 13 21
盛岡市 7 9 2 10
仙台市 2 5 0 1
秋田市 2 7 5 16
山形市 6 10 5 8
福島市 3 7 1 3
水戸市 3 6 1 2
宇都宮市 5 10 1 1
前橋市 2 4 2 2
さいたま市 2 4 2 4
千葉市 1 1 0 1
東京都区部 9 19 1 3
横浜市 7 19 3 6
川崎市 7 12 2 6
相模原市 1 5 5 7
新潟市 7 18 8 16
富山市 9 14 3 6
金沢市 6 13 0 3
福井市 7 11 1 1
甲府市 3 8 2 4
長野市 2 7 4 6
岐阜市 1 4 1 1
静岡市 7 11 6 8
浜松市 4 6 1 2
名古屋市 3 5 0 1
津市 1 1 0 0
大津市 0 1 1 3
京都市 15 26 3 6
大阪市 0 2 1 2
堺市 2 7 1 4
神戸市 3 7 1 2
奈良市 2 6 3 6
和歌山市 3 7 3 7
鳥取市 12 21 10 14
松江市 4 7 4 7
岡山市 0 4 1 4
広島市 3 4 3 5
山口市 3 8 0 0
徳島市 1 2 1 2
高松市 3 5 1 3
松山市 0 1 1 1
高知市 6 12 2 6
北九州市 3 8 0 5
福岡市 2 3 2 2
佐賀市 2 4 3 3
長崎市 3 5 1 4
熊本市 0 2 0 3
大分市 1 1 1 1
宮崎市 2 4 1 2
鹿児島市 3 4 1 2
那覇市 12 14 7 8
品目数計 203 406 124 248
(注)対象は2013〜15年平均として総務省統計局が算出した個別食品203品目(金額)、124品目(数量)(生鮮魚介といった統合品目を除く)
(資料)家計調査

50年前のトップ消費品目数との比較(金額ベース)
1963〜65年
平均
2013〜15年
平均
札幌市 9 3
青森市 5 8
盛岡市 3 7
仙台市 2 2
秋田市 5 2
山形市 4 6
福島市 1 3
水戸市 3 3
宇都宮市 1 5
前橋市 0 2
浦和市・さいたま市 1 2
千葉市 2 1
東京都区部 13 9
横浜市 12 7
川崎市 7
相模原市 1
新潟市 8 7
富山市 3 9
金沢市 4 6
福井市 3 7
甲府市 6 3
長野市 5 2
岐阜市 3 1
静岡市 2 7
浜松市 4
名古屋市 3 3
津市 1 1
大津市 1 0
京都市 5 15
大阪市 8 0
堺市 2
神戸市 5 3
奈良市 1 2
和歌山市 5 3
鳥取市 3 12
松江市 2 4
岡山市 1 0
広島市 2 3
山口市 0 3
徳島市 2 1
高松市 1 3
松山市 1 0
高知市 1 6
北九州市 2 3
福岡市 3 2
佐賀市 3 2
長崎市 2 3
熊本市 0 0
大分市 0 1
宮崎市 2 2
鹿児島市 2 3
那覇市 12
品目数計 151 203
(注)統合品目を除く。1963〜65年平均については、1965年以降調査対象から外れたうずら豆、乾しいたけ、片栗粉、調理食品のかん詰、ヘッド・ラードの5品目は1963〜64年の平均
(資料)家計調査

(2016年3月28日収録、3月29日情報追加、3月31日バター追加、4月7日2位を1割以上超過している品目としてやきとり、ワカメ、ちくわ、乳飲料を追加、4月8日東京都区部3品目追加、トップ品目数データの図表追加、4月13日トップ品目が少ない都市名追加、4月24日付加コメントEF、4月25日@石毛説、追加コメントG、5月17日追加コメントH、6月22日50年前のトップ消費品目数との比較表、8月7日付加コメントI追加、2019年2月19日付加コメントJ追加、2022年7月7日福井の油揚げBコメント追加)


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