全国の小中学校でトイレの洋式化が進んでいる。「家庭のトイレは洋式が一般的になり、和式になじみのない子どもが増えた。小学校は災害時に避難所になるため、高齢者や障害者の利便性を高める狙いもある」からである(毎日新聞2018.4.16)。

 図は文科省が調べた公立小中学校のトイレの洋式率について都道府県別の結果を示したものである。

 全国平均は43.3%となお5割に達していない。洋式率が最も高いのは神奈川の58.4%であり、最も低いのは山口の26.7%であり、地域差がけっこう大きい。

 上位3位は高い順に、神奈川、沖縄、山梨。下位3位は低い順に、山口、島根、長崎である。

 図では全国平均以上と未満を色分けして示しているが、東北を除く東日本で概して洋式率が高く、西日本で概して洋式率が低いことがうかがわれる。

 東京、神奈川、兵庫、福岡で洋式率が高いので都市化が進んで地域で高いのかというとそうとも言い切れない。

 北陸では概して洋式率が高く、近畿でも兵庫は高いが大阪は低い。沖縄は神奈川に次ぐ全国第2位の高さとなっている、など都市化ではかれない例外が多いからである。

 寒い日の和式トイレのことを考え、寒暖差が影響して東高西低であるとすると、静岡や西日本の低さや北陸の高さは当てはまるが、秋田を除く東北の低さが理解できないことになる。

 おそらく、各都道府県の自治体の取り組み姿勢の差や学校整備のタイミングや国庫補助の程度など、地域の個別事情が洋式率に影響しているのであろう。

(2018年5月13日収録)


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