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 市区町村別の平均寿命については、各地域の前後3年間の年齢別死亡数をもとに厚生労働省によって算出されている。出所は厚生労働省の市区町村別生命表である。

 2020年は同年10月時点で東京電力福島第一原発事故で避難指示区域に指定されていたり、豪雨災害の影響があったりした福島、熊本両県の9町村を除く1887市区町村が対象。

 表示選択で年次が古いが男女別の市区町村別の平均寿命を日本地図にあらわしたものを掲げた(男の拡大図女の拡大図)。

 平均寿命の高い地域は赤と黄色で示されているが、男の場合、東京、神奈川、長野、静岡、愛知など日本の中央部に平均寿命の高い市区町村が多いことが分かる。

 女の場合、長野は男と共通だが、男と異なり、沖縄や島根、広島など中国地方にもかたまって平均寿命の高い地域がある。また男と異なり平均寿命の高い地域が分散的に広がっているのが分かる。

 最新2020年データについて、男女別に上位20市区町村、下位20市区町村の平均寿命を見ると、トップと最下位の差は男は10.8(9.8、9.8)歳、女は4.3(4.6、5.2)歳となっている(カッコ内は順番に2015年、2010年の値)。女性は狭まり、男は広がっている。

 各都道府県の最長寿市区町村と最短命市区町村については図録7249h参照。

 男の上位20位は、平均寿命の高い順に、川崎市麻生区(神奈川)、横浜市青葉区(神奈川)、宮田村(長野)、日進市(愛知)、木津川市(京都)、鎌倉市(神奈川)、原村(長野)、横浜市都筑区(神奈川)、草津市(滋賀)、豊丘村(長野)、箕面市(大阪)、生駒市(奈良)、白馬村(長野)、世田谷区(東京)、武蔵野市(東京)、伊那市(長野)、仙台市泉区(宮城)、松川町(長野)、南木曽町(長野)、小布施町(長野)である。

 男の下位20位は、平均寿命の低い順に、大阪市西成区(大阪)、大阪市浪速区(大阪)、大阪市生野区(大阪)、東通村(青森)、六ヶ所村(青森)、大間町(青森)、むつ市(青森)、三戸町(青森)、風間浦村(青森)、平内町(青森)、六戸町(青森)、東北町(青森)、新郷村(青森)、中泊町(青森)、大阪市平野区(大阪)、鰺ヶ沢町(青森)、川崎市川崎区(神奈川)、大阪市大正区(大阪)、南部町(青森)、鶴田町(青森)である。

 女の上位20位は、平均寿命の高い順に、川崎市麻生区(神奈川)、益城町(熊本)、高森町(長野)、草津市(滋賀)、芦屋市(兵庫)、世田谷区(東京)、小金井市(東京)、富士河口湖町(山梨)、箕輪町(長野)、伊那市(長野)、里庄町(岡山)、佐久市(長野)、横浜市青葉区(神奈川)、武蔵野市(東京)、北中城村(沖縄)、横浜市都筑区(神奈川)、宇土市(熊本)、京都市左京区(京都)、豊見城市(沖縄)、熊本市南区(熊本)である。

 女の下位20位は、平均寿命の低い順に、大阪市西成区(大阪)、今別町(青森)、田舎館村(青森)、大鰐町(青森)、むつ市(青森)、三原村(高知)、別海町(北海道)、風間浦村(青森)、大蔵村(山形)、七戸町(青森)、熱海市(静岡)、上ノ国町(北海道)、六ヶ所村(青森)、大阪市浪速区(大阪)、岩内町(北海道)、森町(北海道)、坂東市(茨城)、平川市(青森)、黒石市(青森)、枝幸町(北海道)である。

 市町村名を見ると、男の長寿命地域には、大都市近郊神奈川の住宅地の川崎市麻生区が1位、横浜市青葉区が2位と最上位となっている。女の長寿命地域は1位が男と同じ川崎市麻生区であり、そのほか上位地域に芦屋市(兵庫)、世田谷区(東京)など高所得住宅地が並んでいる。

 前回2015年の男の長寿命地域は、大都市近郊神奈川の住宅地が横浜市青葉区の1位のほか最上位となっていたのに対して、女の長寿命地域のトップ地域は沖縄の1市2村となっていた。女性について沖縄の後退が目立っている。

 男女とも5年前、10年前に続き最下位だった大阪市西成区は北側の萩之茶屋付近に日雇い労働者の町をして知られるあいりん地区 (釜ヶ崎) を抱えており、公共事業の減少でホームレスが増えているといわれる。特段の平均寿命の低さはこのためであろう(地域別ホームレス人数は図録2970)。

 引き続き青森県は平均寿命の低い地域が多く、県内でも改善を訴える声が大きい。

 前回2015年の結果について「青森県内の男性の平均寿命は、全国ワースト4位のむつ市をはじめ、下位から全国50位以内に31市町村が並んだ。女性はワースト8位の三戸町など15市町村が下位から50位以内となり、“短命県”の厳しい現状が浮かんだ。(中略)県南地方で見ると、男性ではむつ市が78.1歳と短かった。宮下宗一郎市長は「不名誉なこと。大きな原因は医療水準の低さ」とし、救急医療体制や健診の受診環境が整わない現状を強調。「県は健康づくりだけでなく、医療水準を高める取り組みが必要だ」と強く訴えた。男性が全国ワースト6位の東北町は、16年度からがん検診の精密検査の費用を助成するなど受診率向上に力を入れている。町保健衛生課の担当者は「非常に残念。少しでも改善できるよう、さらなる対応に努める」とした」(デーリー東北2018.4.28)。

 こうした地域別の寿命格差が大きいのか小さいのかの評価は他国と比較しなければ分からない。英米の事例を以下に掲げる。

 米国の例では17歳の差、英国スコットランドの事例では28歳の差となっている。上記の日本の市区町村格差は拡大したとはいえ、なお10.8歳であるので、英米と比較して格差は小さいといえよう(各国の州県レベルの格差については図録1652参照)。

英米における平均寿命の地域差の例
地域 男子
平均寿命
米国 Montgomery County (white) 80歳
Washington DC (black) 63歳
英国スコットランド Glasgow (Lenzie N.) 82歳
Glasgow (Calton) 54歳
(注)米国は1997-2001のプールデータ(Murray et al., 2006)、英国スコットランドは1998-2002年のプールデータ(Hanlon, Walsh & Whyte, 2006)
(資料)WHO, Closing the gap in a generation: Health equity through action on the social determinants of health, 2008.8

(2008年5月14日収録、9月1日英米事例との比較追加、2013年8月1日表更新、2018年4月17日表更新、4月18日順位の間違い補正、青森の声掲載、2023年5月13日更新)


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