我が国の標高別の土地面積と居住人口の割合を図録7231で見たが、ここでは、都道府県別に土地の平均高度と人口の平均居住高度をグラフにした。

 平均高度の高い山がちの地形の地域としては、長野が1,033mで最も高く、山梨の913mがこれに続いている。第3位は群馬の740mである。

 逆に低地や平地が多く平均高度の最も低い地域は、千葉の42mであり、これに沖縄の86m、茨城の98mが続いている。

 山国という言葉があるが、これは山岳地形の国というだけでなく、山に住む人が多い国という意味だったろう。

 標高の高い所に住む人が多いかどうかの指標である平均居住高度については、土地の平均高度とリンクしており、1位〜2位は平均高度と同じ長野、山梨である。値は、それぞれ、644m、420mである。このように長野、山梨の平均居住高度は第3位の福島203mを大きく凌駕しており、やはり山国といえばこの2県を挙げるべきであろう。

 長野では高い山々に囲まれている地域性から県民の多くが実家の標高を答えられる。小学校低学年から、立体地図を用いて標高について徹底的に学習するからだという。また、遠足が登山である(「47都道府県話のネタ大事典」KAWADE夢文庫、2020年)。

 最も低い土地に住んでいるのは千葉であり、平均居住高度は19mに過ぎない。平均居住高度が千葉に次いで低いのは大阪の25mである。この2府県に次いで、福岡、愛知、茨城の順で平均居住高度が30m以下と低くなっている。

 日本の中央に位置する長野、山梨から東西に、東日本と西日本とを比べると、平均高度、平均居住高度にばらつきはあるものの、それほどの違いはない。

 東北6県の中では、平均高度、平均居住高度ともに、福島、岩手の順になっている。

 少し意外であるが西日本で高度が高い点で目立っているのは奈良である。奈良の平均高度は552mと西日本1であり、平均居住高度は115mで滋賀に次ぐ第2位となっている。

 九州では平均高度では宮崎、平均居住高度では大分が1位となっている。

(2014年11月19日収録、2021年8月9日標高が答えられる長野県人)


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