東海道新幹線のひかり号とのぞみ号が停まる駅の変遷を図にした。

 東京・新大阪間に新幹線が走りはじめた1964年には、ひかりは28本、途中駅としては名古屋と京都にしか停まらなかった。

 品川駅に新幹線が停まるようになった2006年には、ひかり57本、のぞみ137本、合計194本に増加、品川、新横浜に130本前後が停車し、その他、8駅に6〜33本が停車している。

 この図録の原資料である堀井憲一郎(2006)「若者殺しの時代」によれば、日本中のイメージと欲望を実現する都市としての東京の突出が1980年代にはじまり、1990年代に固まった、とされる。初詣における明治神宮の首位躍進(図録3972参照)とともに、新幹線ひかり・のぞみの新横浜停車本数の拡大が東京の膨張をあらわす事例として取り上げられているのである。

 1980年代になっての新横浜停車にそれほど大きな意味をもたせるのは牽強付会と言わざるを得ないが、事実そのものは興味深いので図録化した。

 以上と関連して、「のぞみ」の運航開始から30年の節目に当たり掲載された「のぞみ誕生の経緯と歴史」をまとめた東京新聞の記事からデータ資料を下に引用した。記事によると「のぞみ」による東京・大阪2時間半の実現は、1992年に「のぞみ」が登場するはるか前の1987年からの目標だった。始発に乗り朝一番9時からの会議に参加する日帰り出張を可能にするための時間設定だったようだ。


 なお、図録で取り上げられている新幹線駅は、東から西へ、東京駅、品川駅、新横浜駅、小田原駅、熱海駅、三島駅、新富士駅、静岡駅、掛川駅、浜松駅、豊橋駅、三河安城駅、名古屋駅、岐阜羽島駅、米原駅、京都駅、新大阪駅の17駅である。

(2006年6月12日収録、2007年10月29日谷口氏の指摘により64年・72年の本数補正、2022年3月12日のぞみ30年)


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