貨物輸送の輸送機関別分担率については、長期推移を図録6480(予定)に、主要品目別を図録6500に掲げたところであるが、ここでは、人を運ぶ旅客輸送の輸送機関別分担率(人キロベース)の推移を1950年から5年ごとに掲げた。

 1950年段階では鉄道が9割以上を占め、圧倒的に多かった。

 自動車分担率(バスと乗用車の合計)はモータリゼーションの普及で1970年にかけ7.7%から48.4%へと急激に拡大し、その後も、自動車分担率の拡大スピードは1970年までの高度経済成長期よりは低まったがそれでも順調に拡大し、1990年には65.7%と約3分の1を占めるに至った。1990年以降はほぼ横ばいの推移である。

 自動車分担率の内訳は1965年まではバスが多くを占めていたが、1960年代後半からはマイカーの普及により乗用車のシェアが急拡大した(図録2280、図録6380参照)。

 一方、空の便、国内航空については1970年代から本格化し、その後も順調に拡大したため2005年には約6%を占めるに至っている(図録6882参照)。

 自動車と航空の伸びにより鉄道の分担率は縮小を続けたが2000年〜2005年にはやや回復した。これは次に見るように中距離帯で自動車から鉄道(新幹線)へのシフトが起こったためである。

 距離帯別の分担率(人数ベース)を見ると、距離帯別に大きく状況は異なる。

 300q未満では自動車が7割以上を占め圧倒的である。300〜500q未満では自動車と鉄道が半々である。500〜750q未満では鉄道が7割近くと多くを占め、750q以上であると航空が半分以上、特に1000q以上では9割を占めている。

 1995〜2005年の10年間の推移を見ると、300q未満では自動車が拡大し鉄道は縮小気味である。300q以上では自動車のシェアが縮小、鉄道(新幹線)、航空のシェアがいずれも拡大という傾向である。

 なお、主要都市間の距離の目安として以下に主要新幹線駅間の路線長を掲げた。

主要新幹線駅間の路線長
新幹線駅(開業年)   路線長(q) 
八戸(2002年) 268 593
仙台(1982年)
325
東京
342 515
名古屋(1964年)
173
新大阪(1964年)
161 554
岡山(1972年)
393
博多(1975年)

(2008年12月1日収録)


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