森林を除く国土面積(可住地面積)当たりの道路密度、鉄道密度といったインフラ整備率の国際ランキングをOECD報告書から掲げた。

 日本の道路密度は、2位のベルギーを大きく引き離して世界第1位、鉄道密度は、チェコに次ぐ世界第2位となっており、日本のインフラ整備率は世界の中でも最も高いことが一目瞭然である。

 日本は可住地面積当たりの人口密度も非常に高いのでこの図をもって道路や鉄道が不必要なまでに整備されているとはいえない。

 道路密度と鉄道密度のデータからどちらの長さ(延長キロ)の方がどの程度上回っているかで、道路と鉄道の優先度が分かる。そこで、道路の長さが鉄道の長さの何倍かをグラフ化した図を以下に掲げた。


 日本は60倍とインドネシア、オーストラリア、エストニアに次いで第4位である。中国が日本に次いでいる。

 オーストラリアが道路中心の国であることは、道路自体が主役のようなオーストラリア映画、名画「マッドマックス2」(1981年、米国公開題名”The Road Warrior”)にも明かである。

 自動車大国、道路大国の印象が強い米国であるが(図録6370参照)、案外鉄道の延長も長く、道路優先度は必ずしも高くない。これは米国における鉄道輸送の健闘を示しているものと考えられる(図録6400参照)。

 なお、鉄道の方の優先度が世界で最も高いにはロシアである。これを鉄道の整備が進んでいるからと見るか、道路の整備が遅れているからと見るかは慎重に判断する必要がある。他の国についても同様である。

 ここで国際比較の対象となっているのは、OECD諸国、及びBRICS諸国である。ただし、BRICS諸国は規模の大きな新興国として南アフリカは小文字のsでは入らないが大文字のSとして対象とされ、インドネシアはインドと重複対象で掲げられている。

 対象国数の多い道路密度では、OECD諸国が34カ国、BRICS諸国が6カ国、合計40カ国となっている。具体的には図の順番で、アイスランド、オーストラリア、チリ、カナダ、メキシコ、ノルウェー、ニュージーランド、トルコ、イスラエル、フィンランド、米国、ギリシャ、スロバキア、アイルランド、ポルトガル、デンマーク、英国、ポーランド、スペイン、フランス、オーストリア、チェコ、イタリア、スイス、ドイツ、ハンガリー、韓国、エストニア、ルクセンブルク、スウェーデン、オランダ、スロベニア、ベルギー、日本、、ロシア、南アフリカ、インドネシア、ブラジル、中国、インドである。

(2011年10月3日収録)


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