台湾へ旅行したことのある人なら街頭におけるバイクの氾濫に度肝を抜かれた人が多いであろう。ここではオートバイ(スクーターを含む)の普及状況の国際比較を行った。

バイク風景(グーグル画像検索) 台湾 マレーシア ベトナム タイ インドネシア

 確かに台湾は人口対比で世界一の普及台数であることが確認できる。2位のマレーシア、3位のベトナムの2倍の水準であることから、その特異さがうかがわれる。

 世界の国々をながめると、台湾及び東南アジアの新興国で普及台数が格段に高い水準であるのが目立っている。日本も少し前はもっと普及率が高かったが近年は落ちてきており(図録6380参照)、台湾は「一人一台」状態、マレーシアからタイまでが「一家に一台」状態であるのと比較すると普及率は低いと言わざるを得ない。

 日本、中国、韓国といった台湾を除く東アジアでの普及率はそれほど高くない。クルマ利用が四輪車の乗用車の方に向かっているためかもしれない。何故、東アジアの中で台湾だけがこうもバイク好きなのかは興味深いテーマである。

 ヨーロッパの人口対比の普及台数は東南アジアと比較するとずっと低い。その中では、ギリシャが人口100人当たり15.9台と最も多く、イタリアが14.5台で続いている。英国が2.3台、ハンガリーが1.5台、アイルランドが0.8台と最も少なくなっており、その間の差はかなりある。ギリシャ人やイタリア人はオートバイ好きと言って良かろう。

 米国の普及台数水準は英国並みと低い。米国のクルマ社会は四輪車を中心としていることが明確である。

 南北アメリカの中ではウルグアイが24.9台と特別にバイク好きとなっている。アフリカではブルキナファソが5.4台とその他の国と比較して多い。

 乗用車、バイク、自転車の普及率は以下の図録に掲げているので参照されたい。

乗り物普及率を掲げた図録番号
  各国比較 都道府県比較
乗用車 6375 ピュー
リサーチ
センター
6382
7662
バイク 6376 7664
自転車 6371 7665

 自転車の普及台数の国際比較では自転車普及率と自転車泥棒との相関を検討し、相関があることが確認できた(図録6371参照)。オートバイ泥棒のデータもあるので、下図では、オートバイの人口対比の普及台数とオートバイ泥棒被害率との相関図を掲げた(両方のデータを得られる23か国が対象。年次は5年程度のズレがある)。すると自転車と同様に両者にはやや相関があることが分かる。23か国の中ではイタリアの普及台数が多いのでオートバイ泥棒の被害率も高くなっている。英国やスウェーデンは、オートバイが少ない割には泥棒は多い。何らかのお国事情がそこにはあるのだと思われる。


 普及台数のグラフで取り上げた48カ国は、グラフの順に、ギリシャ、イタリア、スペイン、スイス、フィンランド、チェコ、オーストリア、オランダ、ドイツ、ノルウェー、ベルギー、ポーランド、フランス、ポルトガル、スウェーデン、デンマーク、トルコ、ロシア、英国、ハンガリー、アイルランド、ウルグアイ、コロンビア、ペルー、グアテマラ、米国、メキシコ、チリ、台湾、マレーシア、ベトナム、インドネシア、タイ、スリランカ、日本、中国、フィリピン、ミャンマー、韓国、ネパール、パキスタン、シンガポール、ブルキナファソ、オーストラリア、ニュージーランド、ケニア、南アフリカ、アルジェリアである。

(2013年9月2日収録、2014年12月11日更新)


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